節約・ライフプラン

節約・ライフプラン
インプレス「できるインターネット」2001.8月号掲載記事
しみず・くにあき タレント
1950年、福井県生まれ。73年、大学在学中に原田伸郎と「あのねのね」で芸能界デビュー。90年には「鈴鹿8時間耐久レース」に挑戦、完走する。95年に「自然暮らしの会」を結成し、代表となる(http://www.bnl.co.jp)。「たったひとつの地球」(NHK教育)、「噂の!東京マガジン」(TBS)などに出演中のほか新聞、雑誌への執筆などマルチに活躍。『人の釣り見て、わが釣り直す』(祥伝社黄金文庫)など著書も多数。今春、20年ぶりに「あのねのね」としての音楽活動を再開し、6月には「愛メール」をリリース。

  アウトドアっていうのは、ある種都会生活のリハビリ的なところがあると思うんです。僕の場合、ずっとスタジオでの仕事が続くと、ストレスがたまって、些細なことで腹を立ててしまうようになったりする。
 そんなとき、オートバイでツーリングしたり、魚釣りやキャンプしたりすると、それだけで気分爽快。もう、誰になにをいわれても全然平気になっちゃうんですね。
 僕は本物の感動は大自然の中にあると思っています。人工的なものとか、芸術っていうのは、だれかが感動したことをを二次的に味わうもの。でもその感動の源の自然に直接自分自身で触れると、今生きているだけで幸せなんだって実感します。
 本物の感動を得るのにお金はかかりません。僕らは、寒いときに冬山へ登ったり、暑いときに暑い所でキャンプしたりするんですが、「なんでわざわざ、そんなことするの?」ってよく聞かれます。たしかに、そんな行動を理解できない人たちからみれば、それは楽しいというより、苦しそうなことかもしれない。でも、苦しい思いをすればするほど、それを達成したときが気持ちいいんですよ(笑)。
 字は同じだけれど、「楽をする」ことと「楽しむ」ってことは全然違うことだと思うんですよ。たとえば、ヘリコプターで富士山の頂上に行くのはラクかもしれないけど、決して楽しくはない。
 6年ほど前に「自然暮らしの会」を結成して、丸太小屋を建てたり、カヌーや釣り竿などをつくったりしてきました。今年はそこから少し進んで「自然楽校」を立ち上げたんです。これは、自分が理想とする環境、自然の中で暮らしていくために、他人にも年金にも頼らず、自分ひとりで生きていけるだけの技術を身につけることを目的としています。ひとりでも生きていけるという自信が身につけば、そこから可能性がどんどん広がっていって、何歳になってもキラキラと輝いていられますからね。
 僕は、やりたいことがいっぱいあるから、そのためにお金がほしいとは思うけど、生きていくためのお金は必要ないと思っています。自分の時間を売り渡し、奴隷のように働いて、1億、2億貯めたって、そのお金で時間は買い戻せないでしょ。たとえば子どもが小さいときにいろいろ我慢させて、20歳になったときに初めてキャ
ンプに連れて行ったとしても、3〜4歳の頃に体験できたであろう感動は得られないと思うんです。
 でも、やりたいと思っているすべてのことを同時進行でやっていけば、お金は貯まらないかもしれないけど、お金では買えない思い出や生きてきた足跡が残せる。
 人間、いつか死ぬのだから、僕はいつも自分の死にざまを考えて行動してます。そこから逆算して、毎日を生きてるって感じかな? 僕が理想とする最期は、大自然の中で釣り糸を垂れてて、大物をヒョイッと釣り上げた瞬間にバタンと死ぬ。そんな死に方ができたら最高ですね。

インタビュー・松井京子 写真・広中秀俊



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