節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

インプレス「できるインターネット」2001.10月号掲載記事
はやしや・いっぺい タレント/落語家
昭和45年、東京根岸生まれ。平成2年に落語家の修行に入り、平成5年に二ツ目昇進。「情報バザール」(ANB)、「ゲームEX」(TX)、「いっ平ちゃんのどうもすいません」(CS)など、TVでも活躍。父、林家三平の資料館「ねぎし三平堂」(http://www.sanpeido.com)の堂長を務め、落語会も開催(毎月第三土曜17:30〜)。

  僕が習い事を始める動機は、いつもかっこよさに対するあこがれなんです。ヨーヨー・マのコンサートに行って感動し「自分もあんなふうに演奏できたらいいな」と思ってチェロを始めたり、「A級ライセンスを取得したらかっこいいぞ」と思ったり。
 習い事を長続きさせるコツは、とにかく楽しんでやること。最初はうまくいかなくて苦しいかもしれないけど、達成したときの快感を想像しながら頑張るんですよ。たとえば、初めて自転車に乗れたときのうれしさって、みんな覚えているでしょ。僕は親父に教わったんですけど、ふらふらしながらも初めてひとりで乗れたとき、親父がすごくほめてくれた。自転車に乗れたことと、親父にほめられた二重のうれしさで、あのときの感動は今も忘れられません。
 チェロは高校時代から始めたんですけど、あれも最初はギィギィとノコギリのような音しか出せなかったんです。うまく弾けないまま那須高原での合宿に参加して、初めて練習曲の「カエルのうた」が弾けたときは思わず泣きましたね。「カエルのうた」であんなに泣けるとは、自分でも思ってませんでしたけど(笑)。
 30〜40万円もするチェロを、お小遣いを貯めて自分で買いました。高校生の僕にとってはかなり高い買い物でしたけど、やっと手に入れたときは本当にうれしかったですね。
 本当に大切なことのためにお金を使うと、人生が充実して豊かになるような気がします。今でも好きなこと、大切なことのために使いたいから、ほかのことではなるべく無駄遣いをしないようにしています。普段はタクシーなんか利用しないで、いつも山手線に乗っかってます。だって、たとえば渋谷から家(鴬谷)まで、タクシーだと8000円くらいかかっちゃうけど、電車なら190円。この差は大きいですよ。倹約できるところは倹約してためたお金を、肝心なときにドーンと遣う。その方が江戸っ子らしくていいと思うんです。こういうお金の使い方は、おやじから教わったような気がします。
 おやじから教わったことは、ほかにも数限りなくありますね。亡くなったあと、膨大なネタ帳や資料なんかがでてきて、おやじがどれほど勉強していたか思い知らされました。それで、これをこのまま埋もらせてはいけないと思って、5年前に「ねぎし三平堂」という資料館を作ったんです。僕はそこの堂長もやってまして、月に1度「落語会」を催したり、ホームページを開設したりしています。海外など遠い所に住んでいて、なかなかここまで来れない人たちにも情報を発信していきたいですからね。
 これからは、人間性をもったコミュニケーションの時代だと思っているんです。 ITは時間や距離を縮めてくれるとてもありがたい文化です。でも、いくら時代や文化が進歩しても、それをやりとりするのは人間なんだっていうことを、いつも忘れないようにしたいですね。

インタビュー・松井京子 写真・広中秀俊


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