第1回:絵を楽しみながら経済を学ぶ


経済について公正、中立な立場から広報活動を行っている金融広報中央委員会が2005年を「金融教育元年」と位置づけてから2年が経過し、全国で学校・家庭・地域と連携して親子セミナーが開催されるなど子供への金銭教育が盛んになっています。

そんな中、絵本やかるた、紙芝居などを通じて子供に経済を教えるというユニークな活動を行っている方もいらっしゃいます。「子どもの経済教育研修室」や「子供とお金の教室」の代表を務める泉美智子さんは、敷居が高くなりがちな「経済」について、絵を使うことでいかに堅いイメージを感じさせずに楽しく学ぶことができるかを追求していらっしゃいます。絵はイラストレーターのサトウナオミさんが担当。果たして、「絵を楽しみながら学ぶ経済」の中身とは果たしてどんなものなのでしょうか。また、子供たちは絵を通してどんなことを学べるのでしょうか。

ホームページ上の紙芝居で経済を学ぶ

この物語は、ある一軒の卵(たまご)農家のお話しです。
卵を生産している家族が、ニワトリの病気や商売の大変さなど、様々な困難に対して家族の協力の下に頑張りながら、おいしい卵を生産してお金に代えていく姿を物語にしたものです。

この物語に出てくるように、卵1個の生産者価格は10円です。私たちがいつも何気なく食べている卵が、現代の子供たちにとってはあまり高いとは感じないであろう「10円」が本当はどれだけの価値があるのかを、実際の生産者の仕事ぶりを紹介しながら学ぶというものです。

この物語を通して、卵農家がどのような仕事をしているのかが勉強できるのみならず、衛生管理のあり方や問題が起きたときの対処方法、新たなビジネスに挑戦する際のヒントなどについて学ぶことができます。

また、この物語を書くにあたり、泉さんとサトウさんのお二人は実際に卵農家のご家庭に行かれ、鶏舎・仕事の内容や、更にはおいしい卵づくりをするためにはどんな設備が必要なのかについても調べたという力作であり、この紙芝居からリアルさが伝わってきます。
この紙芝居は、「子供とお金の教室」のホームページから誰でも閲覧が可能です。

まもなく完成!楽しみながら覚える経済かるた

小さい頃によくわからないままに学校などで暗記した言葉が、大人になってから「ああ、こういう意味だったのか」と気づくという経験をされた方も多いのではないでしょうか。この「経済かるた」は、子どもたちが遊びを通して“経済のことば”に触れ、繰り返し行うことで、将来本や雑誌などで出てきた際に「以前どこかで聞いたことがある」と感じてもらうように、「子ども経済教育研究室」のメンバーで作られたものです。京都大学特別招聘教授・立命館大学教授の佐和隆光氏も絶賛の、経済かるたの中身をちょっと覗いて見ましょう。

い・・「インフレで 年金生活 フラフラに」 え・・「円高で 海外旅行 行きたいな」
ね・・「ネット社会 電子マネーが 駆け巡る」 か・・「外国の 通貨で預金 リスクあり」
お・・「大赤字 国の借金 800兆円」 う・・「うしの ゲップは メタンガス」

このかるたは、最近の新聞や雑誌、ニュースなどでお馴染みの経済用語を多く使用しているところに特徴があり、取り上げられているトピックは国内の経済問題のみならず、最近のお金のグローバル化を反映しての外国通貨に関するものや、環境問題など多岐にわたります。

例えば「年金」や「電子マネー」といったキーワードから「インフレになると年金生活者は困ってしまう」ことや、「インターネットの社会では電子マネーが多く使われている」ということを学ぶことができます。また、日本国の借金が800兆円にも上ることや、「牛のゲップ」が温暖化現象をもたらすという、現代社会において私たちが抱えている深刻な問題にも触れたり、更には最近は我々の生活にすっかり身近になった外国の通貨が、「円高」や「外貨預金」により私たちにどのような生活への影響をもたらすかについてなども取り上げています。

このかるたを通じて、子供たちと経済の話について一緒に考えるきっかけ作りとして非常に良い機会になるのではないでしょうか。

「経済かるた」の完成は2007年7月頃を予定しており、「子供の経済教育研究室」のホームページから、誰でもご家庭のプリンターで印刷ができるように準備を進めているとのことです。

子供は興味を持てば自分から学ぶ

子供は好奇心が旺盛で、自分が「面白い」と思うことを見つけると、それを飽きるまで何度も繰り返します。そして、小さい頃に覚えたことは大人になっても記憶に残っています。したがって、子供に「面白い」と思わせることができれば、子供は興味を持って自ら学んでいきますので、楽しみながら自発的に勉強することが可能になるわけです。

紙芝居やかるたは、今も昔も子供たちに親しみやすいものです。「経済」と言うと難しく考えがちですが、生活に密着した中で楽しみながら覚えることができれば、将来大人になっても「経済」をより身近に感じることができるのではないでしょうか。

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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