結論からいえば、年収条件などをクリアすることができれば、新たにローンを利用することは可能です。また、ローンを利用してマイホームを買った場合には、ローン控除の適用を受けることもできます。ただし、その際にはいくつかの留意点があるので注意しておく必要があります。
矢坂さんは東京都千代田区のマンションでローン控除を利用していました。しかし、転勤先の沼津市に住民票を移し、千代田区のマンションは人に貸すため、昨年末の年末調整時の控除の申請は行わなかったということです。ローン控除は、あくまでもローンで買った住まいに住み続けていることが条件ですから、これは当然のことです。
ですから、新たに自分の居住用の住まいを買うことになれば、その時にはまた住宅ローン控除を利用することができます。住宅関係の税制では、「住宅取得資金贈与の特例」のように、一生に一度しか利用できない制度もありますが、ローン控除に関しては回数の制限はないのです。自分の居住する住まいであること、返済期間10年以上の金融機関のローンを利用することなどの条件を満たせば、何度でも利用できます。
ただ、問題は必要な金額のローンを組めるのかという点です。現在所有している千代田区のマンションは家賃15万円で貸すわけですから、それでローン返済額をカバーすることができます。新たに住宅ローンを組むのには何ら問題はないように思いますが、最近の
金融機関の審査基準では、家賃収入は考慮されないのが一般的です。ですから、すでに利用しているローンと合わせた返済額が金融機関の審査基準に合致するかどうかが、チェックされるわけです。
たとえば、銀行ローンを利用する場合には、
年収800万円の人だと年収の35%までの年間返済額が限度になるのが一般的です。毎月返済額としては、800万円×0.35÷12カ月で、約23万円です。そのうち千代田区のマンションで15万円を使っているわけですから、
残りの枠は8万円になります。
年利2.375%、返済期間30年のローンだと、約2000万円の借入が限度という計算になります。これに、手持ちの自己資金を加えた予算内で、希望する物件が手に入るのであれば、買い増しできるわけです。
できれば固定金利型の住宅金融公庫のローンを利用したいところですが、すでに公庫融資を利用しているときには、それまでのローンを一括返済しなければ、新たに申し込むことはできません。公庫融資を使っていなかったり、また、一括返済したときには公庫融資を申し込むことができます。その際の審査基準では、公庫融資の返済負担率は年収の20%が上限で、その他の借入がある人で、年収700万円以上の人は、他の融資の返済と合わせた返済負担率が40%までという規定が適用されます。
- 返済期間10年以上の金融機関などのローンを利用していること
- 住宅を新築または購入した日から6か月以内に入居し、引き続き居住していること
- 床面積が50m2以上の住宅であること
- 控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
- 入居した前後の2年間に譲渡所得の居住用財産の3000万円控除、居住用財産の買い換え特例などを利用していないこと
- 新築住宅の場合、使用されたことがない住宅であること
- 中古住宅の場合には新築されてから20年以内(耐火建築物は25年以内)で、建築後使用されたことがある住宅であること