住宅の購入は「頭金の運用に失敗したから1部屋減らす」というわけにはいきません。ですから購入までは、安全で確実にお金を殖やすことを重視して商品を選びましょう。現在の運用方針は間違っていません。ただし定期預金以外の商品も選択肢に入れて運用を考えていきます。
積み立てを続けるには目標が「住宅用」とはっきりしていて、さらに
引き出しにくい商品を選ぶのがコツです。また低金利の現在は商品ごとの利子の違いはわずか。こんな時は、積み立てたあとに低金利のローンの利用が可能だとか、割増融資を受けられるなどのメリットに注目して商品選びを心掛けることが大切です。
病気やケガで働けなくなったり、リストラなどで収入がなくなった時の当面の生活費として用意しておきたいのが「イザという時のための貯金」。病気やケガへの備えは保険でフォローするのが基本ですが、すぐ使えるお金もないと不安。
最低でも毎月の生活費の半年分のお金(大西さんの場合約180万円)を、安全ですぐ換金できる貯蓄商品で確保しておくことが大切です。現在の貯蓄額は140万円なので、あと40万円は、イザという時のための貯蓄に回し、住宅資金の貯蓄は「その後で」と考えて。
共働きだと収入が多い分、つい無理なローンを組んでしまいがち。でも貯蓄ペースは夫のみが働いている家庭より早いのですから、本来は共稼ぎ夫婦こそ十分な頭金を貯めてから住宅を購入して欲しいもの。また不況の今、多くのサラリーマンは「賃金カット・失業・勤め先の倒産」という3大リスクを抱えて生活しているので、ローンを組むときは無理な返済計画は禁物です。
住宅資金の貯蓄目標額は物件価格の3割(頭金2割+諸費用1割)と考えましょう。
[貯蓄目標額の計算方法]
- 買いたい家の予定価格はいくら? ( I )万円
- 購入時にはいくら必要? I ×0.3(頭金+諸費用)=( II )万円
- これから貯める目標額は? II −(住宅用の現在貯蓄額)=( III )万円
- 何年後に買う? ( IV )年後の予定
わが家はあと( IV )年後までに( III )万円ためるぞ!

貯蓄商品としては住宅金融公庫の「つみたてくん」「住宅財形」「住宅積立貯金」が第1候補。また郵便局のオート定額・定期貯金や積立貯金もお勧めです。会社には財形がないとのことなので、「つみたてくん+住宅積立貯蓄」という組み合わせで貯めていったらいかがでしょうか。また銀行からも融資を受ける予定なら、利用予定銀行で積立を行っておけば、将来有利な条件で融資を受けることができる可能性が高くなります。

住宅資金は安全な商品を選ぶことが大切ですが、老後資金を貯めていくには投資や投資の勉強をしていくことが必要です。現在30代の方が老後を迎える頃は少子高齢化が進み、年金額は今より少なくなる予定です。逆に医療費の自己負担などの出費はUPしていくはずなので、若いころから自助努力として老後に備えていくことが大切です。
積立に回せるお金が少ない人ほど、1.時間を味方につけて複利でお金を増やしていくこと、2.バランス良く運用して資金を殖やすことが大切です。老後用のお金は、運用期間が長期にわたるのでインフレ対策としても投資にトライしていくことが大切です。
投資は確かにリスクがありますが「危ない&危険」だけのイメージから、「堅実な投資家を目指す!」と頭を切り替えてチャレンジしていきましょう。毎月の貯蓄14万円のうち、2〜3万円は老後資金用に貯めて行くことをお勧めします。下記の「初心者の投資の原則」を守って手堅くトライしていけば、大損を避けることができます。

- 100万円を貯めたらそのうちの5〜10万円を投資に回す(老後用のお金として300万円貯まるまでは、その繰り返しでOK)。
- 投資商品は長期保有を前提とし、時間でリスクをカバーしていくのが原則。でも預けっぱなしにせず、まめに価格を確認し、値上りしたら欲張らずに売却し、利益を確定していくことが大切。
- 値上がり目標額は1〜2割とし、当初の目標額を達成したら欲張らずに売却する。
- きちんと勉強する。
- 「良い」と評判の商品でも、自分で仕組みを理解できないものには、手を出さない。
用語説明