銀行預金、郵便貯金、株、債券、投資信託、保険などなど、世の中にはたくさんの種類の金融商品があります。また常に新しい商品が開発され、売り出されています。金融商品を選ぶためには、様々な商品をよく知った上で、自分の判断で選択することが大切です。
配当や株主優待に着目して投資をする場合大切なことは、(1)過去の配当や株主優待の実績が安定している、(2)業績が安定している会社の株を選ぶこと、などです。ただし、過去の実績はかならず将来を約束するものではない、ということは忘れずに。また、数銘柄に分散投資すればリスクを減らすことができます。
自分の判断で金融商品を選択するためのポイントは、商品の「安全性」、「流動性」、「収益性」について慎重に考えることです。大切なのは「欲張らないこと」。3つの基準の全てが優れている商品はないという原則を常に頭の片隅においてください。金融商品を選ぶ時は「そのお金を将来何に使うのか」という目的を、3つの基準に照らしながら考えていきます。
金融商品を選ぶための3つの基準と主なチェックポイント
基準 |
チェックポイント |
安全性 |
・ 預けたお金が予想外の損を出す可能性はないか?
・ 金融商品は元本保証商品か?
・ 株式や債券の場合、発行会社の経営は健全か?
・ 取り扱い金融機関の経営は健全か? |
流動性 |
・ 何年後(何カ月後)に使うお金なのか?
・ 商品の満期や据え置き期間はどのくらいか?
・ 中途解約はできるか?
・ 中途解約の手数料は高いか、安いか、無料か?
・ 取り扱い金融機関は利用しやすいか? |
収益性 |
・ その商品を利用すると何年後に、どのくらいの収益や利回りが見込めるか?
・ 高収益を得るためなら、どのくらいの損なら許容できるか? |
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金融商品には、大なり小なり何らかの「リスク」があります。後々自分で納得のいく結果を得るためには、リスクの種類・特徴をよく知り、できるだけリスクを分散する工夫が大切です。リスクの種類の説明や、リスクに備えるための行動の具体例については、表をご参照ください。
金融商品のリスクの種類
リスクの種類 |
主な特徴 |
インフレリスク |
インフレで、損をする危険性。 |
価格変動リスク |
金融商品の価格の上下により損をする危険性 |
流動性リスク |
必要な時に、すぐに換金できない危険性。
解約手数料が高額で、元本割れする危険性。 |
信用リスク |
取引先の金融機関や、株や社債の発行会社が経営破綻することによって損をする危険性。
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カントリーリスク |
ある国の株や債券等に投資する際、その国の政治的・経済的混乱によって損をする危険性。 |
為替リスク |
外国為替相場の変動によって損がでる危険性。 |
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リスク回避のための投資行動の例
例1: |
インフレリスクに備えて、「金」に投資する。 |
例2: |
外債を購入する際、カントリーリスク分散のために「米国債」「オーストラリア国債」にお金を分けて投資する。 |
例3: |
「どこの銀行の経営も100%安心はできない」と考えるので、信用リスク分散のために、取引を複数の銀行に分散する。 |
例4: |
90万円で株式投資に挑戦する際、信用リスク分散のため、30万円ずつ3銘柄に分けて投資する。 |
例5: |
外貨建て商品に挑戦。為替リスク分散のため、半分は米ドルMMFに、残りはユーロMMFに投資する。 |
(注:これらはあくまでリスク説明のため一例であり、特定の投資行動を推奨するものではありません)