節約・ライフプラン

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■アドバイス
「ローンを組まない家計への切り替え」が課題です。11月からパートを始めたら、なるべく収入を増やすように頑張って!

ローンを組まない家計へ切り替えていきましょう

矢部さんは、随分やり繰りを頑張っていると思います。保険は掛け捨ての商品に無駄なく加入されていますし、税金や交際費などは月割りで積み立てたお金から計画的に支出するなど、大変努力されていると思います。ですから貯蓄をして、老後に備えるためには奥様がパートに出て収入を増やすことが必要です。

ただし課題が1つあります。ローンの返済が家計を大きく圧迫していることです。今後は収入を増やすとともに「欲しいものはお金を貯めてから買う」家計に切り替えていくことが「余裕のある老後」を迎えるためのカギです。

自動車ローンは住宅ローンより金利が高くなっています。ディーラーとの提携ローンでも3.5%程度、非提携のローンだと金利は10〜18%にも跳ね上がることもあります。パートを始めたら毎月3万円の返済に加えて、さらに3万円ずつ繰り上げ返済をして、マイカーのローンは1年半で完済しましょう。(毎月の繰上げ返済ができない場合は積み立てていき、一括返済します)。ローンを返済した後は、毎月2万円ずつ新車購入のための積み立てを始めて、買い換えるときは現金で購入します。ご主人様のトラックは値段が張るので現金一括払いは難しいかもしれませんが、来年8月にローンの返済が終わったら、翌月から同額の積み立てを始めましょう。買い替えの時に少しでも借入額を減らすよう準備することが大切です。

パートを始めたら目的別貯蓄を始めましょう

収入が増えたら(1)老後+教育資金用の貯蓄、(2)自家用車用の貯蓄、(3)洋服用の貯蓄、(4)レジャー用の貯蓄というように、目的別の貯蓄を始めましょう。洋服代やレジャー費も年間予算を決めて積み立てていくようにすると、節約と出費のメリハリをつけることができます(例:今年と来年はレジャー費を節約して3年後のグアム旅行の費用に回す!など)。積立商品は銀行の自動積立定期や郵便局のオート定額・定期や積立貯金などを利用するといいでしょう。

チェック! 目的別貯蓄プラン例

老後資金の貯蓄は教育費の備えも兼ねて

矢部さんは「女の子なので2人とも公立の高校まで」と予定されているようですが、子どもの進路は親の思い通りにならないのが常です。公立高校に不合格となり、私立高校に通うことになる場合もありますし、高校卒業後に専門学校や大学に通いたいとお子さんが希望するかもしれません。そうなった時に慌てないように、老後用の貯蓄は教育費の貯蓄も兼ねて積み立てしていくことをお勧めします。また今後は2人のお子さんと進路について折りにふれて話し合っていくことが大切です。矢部家の経済状態をふまえてお子さんが進路を考えていくことができるよう、進路や進学費用について親子でオープンに話していきましょう。

<老後のお金・貯蓄プラン>

2005年4月までは毎月3万円ずつ、2005年5月から60歳までは毎月5万円ずつ貯めていくとすると、約2430万円貯まります(3%複利運用の場合)。2人の娘さんの教育に200万円ずつ使っても、60歳の時には約2000万円ほどを老後資金として用意することができます。

老後に備えるためには「国民年金」へ加入を

「支払った保険料より、受け取り額の方が少なくなるのでは」「年金官僚の無駄遣いがガマンできない」など、年金について不安や不満を抱く気持ちはわかりますが、老後の生活においては少しの金額でも確実な収入が生活のよりどころになります。国民年金の「老齢基礎年金」は終身で受け取れますし、今後急激に物価が上昇しても、連動して年金額もUPするメリットがあります。支払った保険料は所得から控除されるので税金面でも有利になるので、加入を検討されてみてはいかがでしょうか。老後への備えは「公的年金+民間金融機関の積立・年金(余裕があれば)」の2本立てでというプランをお勧めします。

また国民年金は「老齢年金」に加えて、遺族のための「遺族年金」や不慮の事故などで障害を負ったときにもらえる「障害年金」など3つの役割がありあます。3つの役割を果たす保険は、民間の生命保険会社にはありませんし、あったとしても保険料は莫大な金額になってしまうでしょう。障害・遺族保障つきの物価スライド型「終身年金」と考えれば、国民年金の保険料は実は割安だと思います。そうした意味からもやはり加入した方が得策かと思います。

国民年金は20歳から60歳までの40年間保険料を支払うと、原則65歳から毎年79万7000円(2003年度)が支給されます。加入年数が25年に達しないと1円ももらえません。ご主人は過去に5年間厚生年金に加入していたとのことなので、これから60歳まで20年間加入すれば、過去の分と併せて何とか25年以上になります。現在は決断するギリギリのタイミングです。簡易年金試算では、ご主人がこれから20年間国民年金に加入すれば、65歳から毎年約67万円年金がもらえる計算です。80歳までに受け取れる年金の合計額は1072万円ほどです。国民年金の保険料は月額13,300円ですが、半年分前納すれば650円、1年分を前納すれば2830円の得になります。

奥様は厚生年金に加入を

奥様はなるべく多く働いて、1円でも多く収入を得るとともに、厚生年金に加入することをお勧めします。パート勤務でも勤務時間や勤務日数が正社員の4分の3以上であれば、事業主は厚生年金に加入させる義務があります。これから厚生年金に加入すれば65歳から老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れるようになります(以前の加入期間と通算して25年以上となれば)。万が一障害者になったとしても障害厚生年金がもらえるなど保障も充実します。

チェック! 国民年金・厚生年金に加入した場合の年金受取額の試算

チェック! 障害基礎年金はいくらもらえる?


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