■アドバイス |
![]() ![]() 「今の恋人と結婚するかどうかは未定」という高田さんの現時点での未来予想図は「シングルorDINKS」です。自分の収入を自由に使えるのがシングルやDINKS(共働きで子どもを持たないカップル)の特権。そのため将来の生活設計よりもレジャーや趣味、車や高機能家電製品などにお金を使うことを優先させがちです。 子どものいる世帯の家計運営が主に‘自分達に(お金を)かけるか、子どもにかけるか’のせめぎ合いであるのに対し、シングルやDINKSの家計運営は‘今の生活を優先するのか、将来に備えるのか’という選択の連続となります。高田さんが希望するライフプランを全て実現するには経済的に無理がありそうです。高田さんが充実した現役生活を過ごし、さらに満足のいく形で人生を締めくくるための1つの方法を以下ステップごとに解説していきます。 ![]() まずは「自分が大切にしたい価値観」を思いつくだけ全て記入します。次に「価値観を実現するための具体的な夢・時期・必要な金額など」を書いていきます。最後に優先順位を決めて、取り組む目標を3~5つぐらい決めます。シングルの高田さんは信頼できる人(親兄弟、祖父母、友人、恋人、FP、etc)の意見・アドバイスを参考にできればベターです。DINKSとなったら夫婦それぞれが記入し、情報交換をしましょう。
![]() 会社勤めの高田さんは「もしもの時のための備え」として、毎月の生活費の6か月分以上を貯めることが必要です。元本が安全でイザというときすぐ引き出せる普通預金、貯蓄預金、通常貯金、通常貯蓄貯金、定期預金、定期貯金などを利用して貯めていくといいでしょう。留意点としては、(1)生活費の口座とは分けること、(2)定期を利用するなら期間が短め(1年以内)のものを選ぶ、ことです。自営業の方や住宅ローンを抱えている人は多めに確保(できれば毎月の生活費の1年分以上)するのが安全策です。 ![]() 今25歳の高田さんは、引退後のお金を国や会社には頼れない状況です。公的年金は最低限の生活保障の基礎として大切ですが、それだけで快適な生活を維持できる額ではないという現実を認識しましょう。さらにシングルやDINKSは「子ども世代」からの直接的援助(お金・マンパワー)が期待できない分、真剣に準備していく必要があります。ですから退職後への備えとして税込み収入の1割以上を貯め、運用していきましょう。 ![]() 老後の資金を貯めるのに、利用したい金融商品の第一候補は「所得控除の恩恵を受けられるもの」です。確定拠出年金を利用できれば、苦労して稼いだお金を丸々運用にまわせます(自営業の方は他に国民年金基金、中小企業にお勤めの方には小規模企業共済などもあります)。通常は1万円を稼げば所得に応じて数千円の税金が引かれ、残りのお金(6000~9000円程度)で運用がスタートするわけです。引かれた税金分を稼ぐのはかなりの年月と知識・労力が必要なことを考えると、所得控除の恩恵を受けられる商品が断然有利です。さらに途中で運用益に対して税金を引かれることもないし、受け取る時にも公的年金控除(退職時に一時金として受け取る場合は退職所得課税)が適用となる点もおトクです。 その他の金融商品としては、財形年金貯蓄(385万or550万の非課税枠あり)、個人年金(保険料が強制的に引き落とされるので貯蓄ベタな人や運用に頭を悩ませたくない人向き)、変額個人年金(運用中の収益に対する課税が受け取り時まで繰り延べられる)、などが一般的です。 ![]() 退職後のためのお金を貯めつつ、もしものためのお金が確保できたら、いよいよ夢の実現のためのお金を貯め始めます。まずは具体的な貯蓄計画を考えます(例:3年後に200万円必要なら「毎月4万円、ボーナス時9万4000円ずつ貯める」など)。退職後のための貯金があるので「目標期日までに目標額を貯めるのは難しい」という場合は、期日を伸ばす、夢の優先順位を再検討する、数を減らす、などの見直しを行います。 ![]() 人の価値観は時間とともに移り変わっていくものです。大きな環境の変化がなくても、誕生日、結婚記念日、お正月などと期日を決めて、定期的に見直していきましょう。 ![]() 人間は1つでも多く自分の夢を実現したいと思うもの。でも現実を見つめることも必要です。グラフィックデザイナーという軸足を大切にして1つでも多くの夢を実現すべく、ご活躍されていくことを期待しています。 |
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