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一般的な住宅ローンと同じくらいの水準の利息を付け、
現在の家賃を超えないような返済プランを立てよう |
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年収の下限に満たしていないと、住宅ローンは借りられない
金融機関から住宅ローンを借りる場合、申し込む際の年収の下限が350万円以上とか、400万円以上などと決められています。自営業者の場合は、経費を引いた所得で考えるため、現在の橋本家の場合は、金融機関から融資を受けるのは難しいと思います。
そのようなこともあって、マイホームの購入費用をご両親から借りられるのだと思いますが、身内から借金する場合、3%くらいの利息を付けないと、実質的に贈与を受けたとみなされる可能性があります。3%では、金融機関のキャンペーン金利が適用された住宅ローンよりも高いのではないか、と言われそうですが、一般の契約に比べて有利すぎる条件だったり、契約は交わしたものの、実際に返済しないままになってしまうと、贈与と認定されてしまう可能性があります。
3%というのはひとつの目安ですので、できれば税務署に相談に行かれて、「贈与とみなされない金利水準」を確認されることをおすすめします。なお、身内からの借金に対して利息を払っても、住宅ローン控除を利用することはできません。
20年返済にすれば、現在の家賃と同じ水準の負担になる
橋本家では、きちんと金銭消費貸借の契約書を交わされるとのことなので、書面には借入額や金利、貸し手と借り手など、契約書として最低限必要な項目のほかに、具体的な返済方法や早めに返す場合の条件、延滞した場合の対応などについても、きちんと明記しておくことをおすすめします。
次は、実際にご両親から1000万円を借りた場合の返済額を計算してみましょう。金利は3%、返済期間は10年だとすると、ひと月の返済額は9万6560円になり、15年返済だと6万9058円になります。10年、あるいは15年返済にすると、現在よりも家計費が多くなってしまうため、20年も試算してみると、ひと月の返済額は5万5459円になります。現在の家賃や固定資産税などの出費増を考えますと、20年程度の返済で考えるのが適当ではないでしょうか。
ただし、毎月端数の金額を返し続けるのは面倒なので、ひと月5万5000円とか、6万円などのキリの良い金額に設定するのが現実的だと思います。
ご主人は死亡保障と1日1万円程度の入院保障を
お子さんがいないご夫婦とはいえ、ご主人が無保険なのは、リスクが高すぎます。マイホームを購入しても、身内からの借金で、団体信用生命保険(ローンを借りている人が死亡すると、ローンがゼロになる)に入れるわけではないので、1000〜2000万円程度の死亡保障は確保しておいたほうが良いでしょう。返済途中でご主人に万が一のことがあった場合、残りの借金の返済はどのようにするのかを、ご両親から資金援助してもらうときに、話し合っておくことも必要かもしれません。
医療保険についても、自営業者の橋本さんのご主人には、日額1万円くらいは必要だと思います。橋本家は、独身時代にかなりの貯蓄をされてきていますが、ご主人が自営業になられてからは、貯蓄がほとんどできていない状態です。休業補償もない自営業者の場合、ご主人が入院でもしたら、収入がストップしてしまいますので、死亡保障と医療保障の確保は早急にするべきだと思います。
その際、死亡保障は掛け捨ての定期保険がおすすめ。医療保険は、一生涯保険料を支払うタイプの終身医療保険を選ぶと、保険料が抑えられます。奥様が仕事を始められて家計が少し楽になると思うので、その分は貯蓄とご主人の保険料に当てられると理想的だと思います。
奥様の保険については、すでに支払いが終わっていることと、予定利率のピークのときに入られたこともあって、お兄さまのアドバイス通り、解約することはおすすめできません。ただし、特約でついている医療保障は古いタイプのもので、20日以上入院しないと、1日目から給付金がもらえません。入院給付金の日額も、もう少し増やしておきたいところ。そのためご主人と同じように、一生涯保険料を支払う終身タイプの医療保険に入られることを検討されてはいかがでしょうか。
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