節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
山田 奈緒さん
24歳、専業主婦。26歳会社員のご主人と、0歳のお子さんの3人暮らし
生活費が毎月数万から10万円ほどオーバーしてしまいます。なんとかお給料のなかでやりくりできる方法はないでしょうか。

お給料もそこそこなので、生活できないはずはないと思うのですが、気がつくと支出が多くて赤字です。5年以内にはマンションも買いたいし、子どももあと一人ぐらい欲しいのですが、結婚して5年経っても貯蓄はできないし、何を削ってよいかわかりません。


・家計状況
 月間収入(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 300,000 円
 月間支出 支出合計 34万3500円
(マイナス4万3500円)
 住居費(家賃) 65,000 円
 駐車場代 15,000 円
 車のローン 20,000 円
 水道光熱費 20,000 円
 電話代
 (携帯、ネット接続料込)
22,000 円
 交通費 5,000 円
 食費(夫の昼食代込) 50,000 円
 教養娯楽費 16,500 円
 日用雑貨・被服費 13,000 円
 医療費 10,000 円
 雑費 25,000 円
 こづかい(夫婦分) 30,000 円
 その他の支出
 (スーツ・家電等)
30,000 円
 保険料(車・生命保険) 22,000 円
 ボーナス(年間)
 夫 650,000 円
 ボーナス支出(年間)
 車のローン 100,000 円
 毎月の生活費補填 550,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 500,000 円

 <<希望>>
  • 5年以内にマンションを購入したい。
  • もう一人子どもが欲しい。

■アドバイス
まず先に貯蓄額を決めて、差し引いたお金で生活するのが基本。買い物は、今必要なものか、よく考えて。幼稚園に入るまでに家計を立て直しておきましょう。

結婚されて5年になられるとのこと。今までは毎年の収支だけを考えてお二人だけで過ごされてきたと思いますが、これからは、教育費や住宅など先の支出に備えたお金を蓄えておかなくてはなりません。お金は自然に貯まるのではなく貯めるもの。
多いときで月10万円にのぼる赤字を解消し、さらに貯蓄を確保するのですから、支出の優先順位をよく考えて買い物をするなど、ちょっとしたがんばりが必要です。お子さんが幼稚園に上がり教育費が固定されるようになる前が勝負かもしれません。

財形貯蓄か自動積立の預貯金を利用して、貯蓄の習慣をつけることが大切。入院など不時の支出に備える分と、お子さんの教育費分を確保しましょう。

子ども保険は満期金が100万円程度。高校卒業後に進学するならこれでは不足。毎月別に1万円程度積み立ててはどうでしょう。しかも、もう一人お子さんが欲しいということですから、そうなれば教育費の準備はさらに大変になります。また、不時の備えとしては、4か月分の生活費程度にあたる100万円は最低でも確保しておきたいところ。月1万円とボーナスの半分を貯蓄に回せれば、1年で目標は達成できます。次の目標として半年分、そして1年分まで達成できたら、住宅購入を検討してもよいと思います。貯蓄の習慣と、そのぐらいの蓄えがなければ、住宅ローンも安心して組むことができません。

きっちり積み立てるには、財形貯蓄か、給与振込口座のある金融機関で、自動積立の預貯金を利用するとよいでしょう。

「その他の支出」は月の収入からではなく、ボーナスで予算を組んで購入。赤字解消には、支出項目を細かく記録して生活を省みることが有効です。

毎月スーツや家電製品など、なにかしらまとまった支出があり、これが赤字の原因のひとつ。年にいくつも購入するものではないので、半年、1年単位で予算を組んで、ボーナスから出すようにします。今年買わなくてもよいものは来年に回し、かならず予算内におさめてください。

もうひとつの大きな原因は、買ったものを把握できていないこと。まず、1か月間、口座から引き落とされたり、お財布からお金を出して買ったものをノートに細かく記録してください。そしてひとつずつ、「必要なもの」「同じ機能で少し安い代換え品のあるもの」「買うのはもう少し先でもよかったもの」「なくても困らないもの」にランク分けをします。
手間はかかりますが、この作業で、これまでの生活が見直され、何を削るべきか見えてくるはずです。1か月でだめなら、2か月、3か月、続けてみましょう。

たとえば、自動車保険の更新時に保険会社・内容を見直すことも忘れずに。イフの保険マトリクスでリアルタイム見積もり比較・契約が可能です。ほかにも、家庭の財政学・節約アドバイス(http://www.nttif.com/KAKEI/SETSUYAKU/index.html)も参考にしてください。奈緒様ひとりでがんばるのではなくて、記録したノートをご主人にも見せて、協力を仰ぐとよいでしょう。

大赤字とはいえ、借金は車のローンだけ。クレジットカードや他のローンに頼らなかったのは賢明です。減らした支出がそっくり貯蓄になる家計ですから、お二人次第で充分立て直しはできます。



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