節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
佐々木友見さん
32歳、専業主婦。34歳会社員のご主人と、1歳のお子さんの3人暮らし
ボーナスが少ないので、毎月お給料から貯金しています。でも毎月赤字の上、2年後には義父の同居や子どもの幼稚園入園。どうやって乗り越えたらよいでしょうか。

現在、親の家に家賃を払って住んでいます。2年後に子どもを幼稚園に行かせるつもりですが、ちょうど仕事の都合で別居していた義父が退職して家に戻ってくる時期と重なります。義父は家にお金を入れてくれないことになっており、家賃も払い続けることになります。家の修繕費もすべてこちら持ちです。
今以上に生活が苦しくなりそうですが、どうしたらよいでしょう?


・家計状況
 月間収入(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 300,000 円
 月間支出 支出合計 308,300円
(マイナス8,300円)
 住居費
(家賃、水道光熱費、
 電話代を含む)
50,000 円
 携帯電話代 5,000 円
 ガソリン代(2台) 25,000 円
 食費 20,000 円
 外食費 10,000 円
 酒代 5,000 円
 教育費 13,000 円
 日用雑貨・被服費 10,000 円
 医療費ほか雑費 10,000 円
 夫のこづかい 25,000 円
 生命保険 12,000 円
 子ども保険 13,600 円
 養老保険
(夫婦それぞれ
 満期金400万円)
23,700 円
 年金保険 10,000 円
 自動車保険(2台) 6,000 円
 定期的な積立 30,000 円
 住宅修繕費積立 20,000 円
 車検等その他の費用積立 20,000 円
 ボーナス(年間)
 夫 250,000 円
 ボーナス支出(年間)
 レジャー費 50,000 円
 毎月の生活費補填 80,000 円
 貯蓄 120,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 2,500,000 円

 <<希望>>
  • 2年後に子どもが幼稚園入園し、義父が同居する。
  • 義父が同居後は、家計への支援はなく、家賃や家の修繕費も払い続ける
  • 3年後ぐらいに子どもが離れてくれるようになったら働きたい。

■アドバイス
家計管理は優等生。この頑張りを家族に理解してもらい、働けるようになるまでの間、家賃の減額や貯蓄ペースを落とすことで乗りきることもできるでしょう。

車検から住宅の修繕費用、老後資金まで、将来の支出を考えて本当によく家計の管理ができていらっしゃいます。ボーナスが少ないということが、かえってよいプレッシャーになっているようです。また月々数千円の赤字が出ていますが、貯蓄額と比べると実質的には困るほどの赤字とはいえないでしょう。ただ赤字をなくそうという気持ちが働いて、無駄な支出が抑えられている面があります。

そういう家計ですから、これ以上支出を抑えるとしたら、外食は一切しない、車は不便でも1台にするなど、よほど覚悟を決めて思いきったことをしないかぎり難しいでしょう。でも無理は家族間の軋轢も引き起こしがち。
長期の視点に立ち、働くことを前提に、一時的に貯蓄のペースを下げることも検討してはいかがでしょう。

親との同居は、お互い無理はしないよう、経済的なことも事前に話し合っておきましょう。

お子様の入園費用の増加分だけでも、会社員の昇給ペースでは賄いきれない可能性があり、何らかの対策は必要になります。そこにもう一人分の生活費が増えるのですから、金額的にも支出をとにかく抑えるというのは限界がありそうです。
ご主人とも相談し、家賃の減額か多少の生活費を入れていただくことをお願いしてみてはいかがでしょう。直接的なお願いがしにくければ、家の修繕計画の相談をしながら、家計の状況を伝えていくという方法もあります。家の修繕費用の準備もできるかぎりやってきていること、友見様が収入を得るようになるまでの間であることなど、お義父様に理解していただけるのではないでしょうか。
家計が破綻に向うときは、家族のコミュニケーションが不足しているケースが多いのです。
お義父様にもいろいろ事情があるかもしれませんので、経済的な支援は望めなくても、理解していただくだけで、家事などの協力が得られたり、充分精神的には楽になるのではないでしょうか。

収入を得られる見通しが立てば、2、3年のペースダウンの影響は一時的。再就職は計画的に準備しましょう。

支出の増加は2年後から。友見様がまとまった時間働けるようになるのは小学校入学ごろとすると、その時間の差は3年程度。その間、現在月7万円の貯蓄を3万円減じると、3年で108万円、現在のペースで積立てたときより少なくなります。
その後友美様が再就職して、月6万円を家計に入れることができるようになれば、貯蓄ペースは3年程度で回復するのがおわかりでしょう。
ただ、この数字を現実のものとするには、それなりの準備も必要です。
今はお子様もお母さんべったりの時期で大変さが先に立ってしまうでしょうけれど、毎日30分でもご自分のための時間を作って、好きなことや得意なことに磨きをかけていきましょう。





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