節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
坂下鈴江さん
25歳、在宅にてパート勤務。35歳のご主人(会社員)と1歳になるお子さんとの3人家族。
夫は月3万円の小遣いがいつも足りないようです。少ないのでしょうか?また、テレビで「学資保険はあてにできない」と言っていました。学費はどう準備すればよいのでしょう?
夫の給与や私のパート収入は残業の有無で一定でないため、苦しいときはボーナスから生活費を補填しています。夫にはガソリン代込みで月3万の小遣いを渡していますが足りないらしく、貯金をおろしてしまうことがあります。決して多くはないと思いますが、夫の行動を考えて足りるように渡しているつもりです。ガムや雑誌などに無駄遣いしているようにみえますが、少ないのでしょうか?オムツも昼間は布オムツにするなど節約していますが、やりくりしてお小遣いを増やすことはできるでしょうか?
また、「必ず続けられること」「夫が万が一のとき」を考えて、郵便局の育英年金付き学資保険に加入していますが、他に積立をした方がよいのでしょうか?


・家計状況
 平均的な月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 170,000 円
 妻 120,000 円
 世帯合計 290,000 円
 月間支出
 家賃 57,000 円
 水道光熱費 15,000 円
 電話代
 (インターネット代含む)
8,400 円
 NHK受信料・
 衛星放送料金
7,300 円
 食費 25,000 円
 酒代 3,000 円
 ガソリン代(妻) 5,000 円
 日用雑貨・オムツ代 10,000 円
 医療費 10,000 円
 夫の小遣い 30,000 円
 交際費
 (夫の両親との食事等)
10,000 円
 リフォーム材料費 10,000 円
 夫婦の生命保険料 24,400 円
 自動車保険料(妻) 8,200 円
 学資保険 10,700 円
 積立貯蓄 30,000 円
 その他の貯蓄
 (車検・夫の自動車
 保険料分等)
25,000 円
 残金
 (2等分して夫婦の
 小遣いとする)
1,000 円

 ボーナス(年間)
 夫 579,000 円
 ボーナス支出(年間)
 夫の両親へ返済 100,000 円
 生活費補填 150,000 円
 夫婦の小遣い 20,000 円
 リフォームのための貯蓄 272,000 円
 貯蓄 37,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 800,000 円
 子どものための預貯金 360,000 円
(出産一時金等を貯めて)

 <<希望・予定>>
  • 夫の実家の隣にある元おばあちゃんの家をリフォームして住む。
    (現在、日曜大工でリフォーム中)
  • 来年から子どもを保育園に入れたい。
 <<住居>>
  • 賃貸

■アドバイス
大人の男性に、無駄遣いを注意するのは難しいもの。生活設計上の目標を一緒に確認して、協力を促しましょう。

鈴江様の家計管理はとてもしっかりしていらっしゃいます。その分、ご主人のお金の使い方が目に余ってしまうのでしょう。かといって細かいことを言ってけんかになりたくないもの。日々の家計より楽しみのある「リフォーム」という話題なら、ご主人とも話しやすいかもしれません。リフォームの具体的な計画を立て、費用もきっちり算出し、貯蓄目標額も2人で設定しましょう。まずご主人自身が目標をはっきり認識し、家計にも気を配ってもらうように仕向けていくことが、円満な家計運営への第一歩です。

「共働きでも財布はひとつ」は効率的な管理方法。家計の状況をお互いが把握し、黒字の時には配分にもひと工夫を。

2人の収入は合計しても厳しい月があるので、一括管理はとても合理的です。ただ、生活費が余ったときにだけ鈴江様の自由になるお金が発生していますが、月収の4割は鈴江さん分なので、鈴江さんの小遣いも毎月の予算に組み込んでおきたいところです。ご主人には、お付き合いの多くなる月に多めに渡すなど、メリハリをつけるのもよい方法でしょう。
また、目的のある貯蓄は、定期預金にする、生活費と口座を別にする、などしておくと、取り崩しにくくなります。
生活スタイルの違いもありますので、お小遣いの金額の多い少ないは他の家庭と簡単に比較できませんが、同僚とのお付き合いもある程度できるのであれば、少な過ぎるということもないのではないでしょうか。
今後お子さんを保育園に入れるには保育料もかかりますので、その相談の機会を利用してご主人に家計簿をみてもらうなど、家計状況は知らせておきたいものです。

教育資金は、保険商品以外に預貯金でも準備をしておきましょう。

学資保険など保険商品のデメリットは、「貯蓄」と考えた場合、万が一のときの保障がついている分、預貯金と比べると不利な場合があります。また現在簡易保険は国が保証していますが、郵政事業庁が公社化される4月以降についても引き続き支払い保証はされます。民間保険会社では破綻の際、一定の保険契約のうち、将来の保険金等の支払いに備えて積み立てられている責任準備金の90%は補償されていますが、責任準備金の削減などの影響で保険金額も減額されることがあります。民営化ということでテレビでは少しオーバーな表現をしたのかもしれません。ただ、可能性としてまったくないわけではありませんので、教育資金準備は保険と預貯金両方で準備しておかれるとよいでしょう。
その点、出産一時金など手をつけずに貯めていらっしゃるのは賢明です。これからも七五三やお誕生祝いの一部でもコツコツ積み立てていってください。
学資保険とともに、この機会にご夫婦の保険も一度見直しておかれると安心ですね。

(参考) 日本郵政公社について http://www.yusei.go.jp/top/kousyaka/qanda/index.html
保険契約者保護について http://www.seihohogo.jp/



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