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家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。 ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。 |
■ご相談者 |
・家計状況
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■アドバイス |
![]() 大学は教育ローンを使って自分で返すとおっしゃるお嬢さんは、将来の目標をもったしっかりした方ですね。 基本的にほぼ全入といわれる高校の費用は、年間収支の中でまかないたいところですが、収入が以前のままであれば私立でも大丈夫だったのでしょう。余裕のあるときに貯蓄をしてこなかったのが悔やまれますが、高校を浪人させるのは避けたいですし、これから下のお子さんの短大卒業まで9年間を親子で協力して乗り切っていくことが必要です。 教育ローンを使うなら、下のお子さんの高校入学と重なって負担の重くなる大学時で使うのが順当でしょう。ただし、いくらお子さんが自分で返すといっても、教育ローンの返済計画に無理は禁物です。 ![]()
2人とも私立高校に進学した場合の不足額合計は、858万円となり、2人とも公立の場合は402万円。私立の場合は大学だけでなく、9年間通して年間収支ではまかないきれない支出が続きます。 貯蓄は少なくとも半年分の生活費相当額250万円程度は残しておきます。ただし55歳定年という条件を考慮すると、本来は老後資金も準備したいところなので、ぎりぎりの金額です。 いずれにしても、貯蓄の取り崩しだけでは足りませんので、教育ローンの利用を視野に入れることになります。 ![]() 日本育英会などの奨学金は月々の支給のため、まとまった授業料等の準備には教育ローンを利用します。国民金融公庫のいわゆる「国の教育ローン」のうち一般教育貸付は、授業料等を対象に学生ひとりにつき200万円を限度として貸付を行っています。 国の教育ローンは、一般に銀行のローンより低利で、借入後10年以内で返済しますが、在学中は元金を据え置き、利息のみの支払いも可能です。仮に200万円借り入れて短大卒業後に返済を始めても、毎月2万円以上の返済額となりますので、社会に出たばかりでは負担は決して軽くないはずです。 また高校から借り入れてしまうと、社会人になってからの返済期間も短くなり、その分毎月の返済額の負担も重くなります。借り入れるのは、大学の資金と考えるのが妥当です。 銀行ではもっと貸付の上限が上がりますが、お子さん自身が返していくなら、200万円が限度ではないでしょうか。 借り入れる場合は、卒業後の進路もしっかり見据えてよく検討しましょう。
![]() 試験は結果がでてみなければわかりません。もし上のお子さんが公立高校に進学できれば、下のお子さんの高校受験も多少余裕をもって見守ることができるでしょう。 仮に2人とも私立に進学するなら、さらに借り入れることは避けられないでしょう。できるだけ借り入れ額を減らす努力もしなければなりません。 公立高校に進んだとしても、中学校のときより月2万円程度の教育費の上昇は見込んでおく必要があります。ですから日頃の家計管理をもう一度チェックしておきます。 家計の中で見直すとすれば、まずひとつの項目にまとめられている、食費・日用雑貨・洋服代を分けてみましょう。とくに洋服代は季節によって変動があるので、季節毎に予算を立てていきます。 お子さんたちもファッションに関心を持ち始める年頃なので、難しいときもあると思いますが、下のお子さんの高校が決まるまでは気は抜けません。 何に使ったか1か月間細かく書き出してみると、お金の使い方の癖がわかったり、金額はわずかかもしれませんが、減らせるものも出てくるでしょう。 また上のお子さんは既に受験を済ませていますが、これから受ける大学や下のお子さんの高校は、受験校を決めるときに学費を参考にせざるを得ないでしょう。できるだけ希望はかなえてあげたいですが、上のお子さんが私立高校に進んだ場合、貯蓄の取崩し可能額はすでに使いきっています。 お子さんたちが手の離れるころ、ご主人も定年が近づいています。高校の教育費までローンを組むと、確実に両親の老後資金にも影響します。 これからお子さんたちと将来について話し合う機会は増えるでしょう。今は社会に出てから勉強する人も増えています。親がしてやれることには限界があります。それを受け入れて、お子さんたちが自分の足で立っていけるようにしてやるのも大切な親の役目かもしれませんね。 |
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