節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
益子 小枝さん
29歳、現在は求職中。同い年のご主人と2人暮らし。
夫の転職を機に、引っ越しを考えていますが家賃は高くなります。将来のマンション購入には、引っ越さずに貯金をした方が良いでしょうか。
現在築25年の古いアパートに住んでいて、引越したいと考えています。車のローンも終わるので、家賃が上がってもやっていけると思います。ただ5年後ぐらいに中古マンションを購入してリフォームして住みたいという希望もあり、引っ越さずにお金を貯めた方がよいのか迷っています。夫婦とも自己啓発に支出する傾向がありますが、娯楽は近場のドライブや図書館で本を借りたり、お金をかけないようにしています。


・家計状況
 平均的な月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 260,000 円
 月間支出
 家賃 67,000 円
 駐車場代 10,000 円
 水道光熱費 13,000 円
 電話代 20,000 円
 ガソリン代 7,000 円
 車のローン(あと2か月) 40,000 円
 食費 30,000 円
 教養娯楽費 2,000 円
 日用雑貨・被服費 2,000 円
 雑費 5,000 円
 夫こづかい 30,000 円
 妻こづかい 15,000 円
 車保険 6,000 円
 その他の貯蓄 13,000 円

 ボーナス収入等(年間)
 夫 1,200,000 円
 ボーナス支出等(年間)
 帰省 200,000 円
 夫の通信大学の学費 200,000 円
 貯蓄 800,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 350,000 円
 <<希望・予定>>
  • 5年以内に1500万円以内の中古マンションにリフォームして住みたい。
  • 引越し先候補の家賃は、勤務先の住宅手当を除いて自己負担8万円。(住宅手当の上限は7万5000円)
  • 妻の収入は事情があって実家に仕送りしているので、夫の収入だけで生活。
  • 子どもはしばらくは持たないつもり。
 <<住居>>
  • 賃貸
■アドバイス
住まいは生活の基盤。環境の良いところに引っ越せるように、貯蓄計画をしっかり立てましょう。

将来、中古住宅をリフォームして住みたいという益子さん。家計簿から見える生活はとてもシンプル。お金をかけなくても楽しむことが上手なのでしょう。中古とはいえ、家を所有するということは、修繕なども自前で行わなければなりません。賃貸より維持費がかかります。賃貸に引越し、さらに購入ができるかは、これからの計画にかかっています。

まず住宅購入の貯蓄目標額を決めましょう。時期を1年延ばすと無理なく貯まりそうです。

これまでは決まった積立をせず、「残ったら貯蓄」の家計でした。ですから、こんど引越しの費用を出したら、貯蓄はほとんどゼロから出発です。まず住宅購入の目標を決め、月々の積立を始めましょう。

購入予定が1500万円なら、頭金と諸経費で450万円。それからリフォーム費用も必要です。それほど大掛かりなリフォームでないとして、仮に150万円とすれば目標額は5年後に600万円。年間120万円です。

ボーナスからの貯蓄80万円を住宅購入資金とすれば、毎月の積立額は3万3000円。
現在のペースでも貯めるのは可能かもしれません。ただ、他に病気等に備えた貯蓄ができないので不安です。自動車ローンが終わるとはいえ、その分一部は買い替えに備えておきたいところです。これで引っ越して家賃が上がれば、なお厳しくなるでしょう。
では、5年後ではなく6年後にすると、月々の必要積立額は1万7000円程度。7年後なら5000円。これなら別に備えとしての貯蓄もできます。少し時期を延ばすと無理なく貯められそうですね。

家賃、ローンの返済額からも確認しましょう。物件選びも大事です。

引越しにより家賃が上がった分は、自動車のローン返済分で吸収できそうです。ボーナスからの貯蓄は継続できますので、住宅購入時期を6〜7年後ぐらいにした貯蓄計画なら、今より良い環境への引越しは充分できそうです。

ではそのあと購入したときの住宅ローンの返済はどうでしょう。
頭金300万円とすると借入額は1200万円。仮に金利3.5%、10年返済なら毎月の返済額は約12万円。管理費や修繕積立金、固定資産税など維持費と住宅手当を考慮すると、月10万円程度の住居費は見込んでおいた方が良さそうです。15年返済なら返済額は約8万6000円。中古の場合は、将来の買い替えも考慮に入れて、早めに返済できる方が良いでしょう。
購入の時点での収入水準やお子さんの予定等を考慮して、返済計画を立ててください。管理状態や修繕積立金などをよく検討して、良い物件を選べば、希望はかなえられるでしょう。

医療保険・生命保険を検討してみては。

今ご夫婦は、保険に加入していません。
共働きとはいえ、実質はご主人が扶養していますので、ご主人の万が一に備えた生命保険も考えた方がよろしいでしょう。
貯蓄も乏しいときに入院などすると、経済的にも困った状況になります。まだ若いので病気の心配は少ないかもしれませんが、事故に遭ったりケガをしたりする可能性はありますから、家賃やローンを払っていく上でも支障がないように、医療保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。




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