節約・ライフプラン

節約・ライフプラン

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
三木 敦子さん
43歳、会社員。46歳のご主人(会社員)と16歳、13歳、2人のお子さんとの4人家族。
夫のこづかいが多いのか、お金がなかなか貯まりません。どのくらいの金額がよいのでしょうか?
毎月残りのお金を貯めるつもりなので、なかなか貯まりません。支出のなかでは、夫のこづかいが多い気がします。どのくらいの額が適正なのでしょうか?


・家計状況
 月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
390,000 円
 夫 330,000 円
 妻 60,000 円
 月間支出 392,000 円
 管理費 31,000 円
 駐車場代 6,000 円
 ローン・クレジットの返済 72,000 円
 水道光熱費 24,000 円
 電話代(携帯含む) 21,000 円
 食費 79,000 円
 教育費 64,000 円
 教養娯楽費 3,000 円
 日用雑貨・被服費 11,000 円
 夫のこづかい
 (ガソリン代含む)
65,000 円
 保険料 27,000 円
 年単位の収入
 夫のボーナス 1,000,000 円
 ボーナスからの支出 1,000,000 円
 固定資産税 120,000 円
 年払保険料 100,000 円
 ローン・クレジットの返済 220,000 円
 夫のこづかい 100,000 円
 その他の貯蓄 440,000 円

<<希望・予定>>
  • 2年後に、子どもたちは高校、大学に進学
 <<住居>>
  • 持ち家(マンション)、ローンなし
■アドバイス
貯蓄のないことに危機感をもち、教育資金や自分たちの老後資金など、将来設計をまず夫婦で話し合いましょう

ご主人のこづかいが気にお子さんたちの進学が近いのに「貯蓄がゼロ」ということに、もっと危機感を持ちましょう。40歳代半ばのご夫婦であれば、2人のお子さんが独立する10年後には、定年はすぐ目の前に迫っているはず。早急に将来の生活設計をご夫婦で話し合ってください。自ずとこづかいの額にも話はおよぶでしょう。

教育資金の計画は、お子さんにもちゃんと話しておきましょう

あと2年で高校、大学に進学、ということですから、進学する学校について、具体的な話を親子でされている時期と思います。
現時点で貯蓄がないことを考慮すると、大学の学費については、教育ローンや奨学金の利用も視野に入れておく必要があります。老後資金の準備もしていかなければなりませんので、お子さん自身が卒業後に返済することを前提に、返済可能金額から借り入れる金額を算出しなければなりません。新卒の初任給は、もっとも高い大卒男子でも約20万円です。もっとも金利の低い国の教育ローンを借入の上限である200万円借りて、在学中は元金据置で10年で返済すると、大学卒業後の返済額は月額約3万円になります。これは、正社員で自宅から通勤できるところに就職できて、やっと返していける金額ではないでしょうか。
高校生なら、もう将来の仕事のことも具体的に考えてよい年齢です。自分自身で将来設計が考えられるように、経済的な事情はきちんと伝えてあげてください。

お金の貯まらない、いちばんの原因は借金の返済。これ以上借り入れはせず、支出を見直して、同時に積立も始めましょう

持ち家で住宅ローンもないのに、貯蓄ができないのは、ほかの借金の返済額が大きいためです。毎月とボーナスでかなりの額が返済に充てられています。子どもたちの進学資金を考えれば、本来そっくり貯蓄に回っていてよいはずのお金です。これ以上ローンを組んだり、クレジットカードで買い物するのはやめましょう。まず、決まった額を積立に回し、残りで生活する努力が必要です。
手始めに、月1万円の積み立てを実行しましょう。そのために、支出を見直します。
管理費や駐車場代など金額が決まっているものもあるので、見直せる支出項目は限られていますが、ご主人のこづかいも見直しの対象になるでしょう。
ご主人のこづかいは、一方的にこれで、というと不満が募りますので、夫婦で家計簿を確認して、ご主人も納得できるように決めてください。
もしご主人が浪費傾向にあるなら、ガソリン代などは家計から直接支出することにし、ご主人が管理する項目を少なくして金額を抑えるという方法もあります。
返済が終わるまでは、大変でしょうけれど、教育費の支出がさらに増えることを考えると、今できることをしておかなければ、家計の立て直しはもっと困難になります。そういう危機感をまず夫婦で共有してください。

チェック! 国民金融公庫(国の教育ローン) http://www.kokukin.go.jp/
日本学生支援機構 http://www.jasso.go.jp/




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