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家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。 ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。 |
■ご相談者 |
・家計状況
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■アドバイス |
![]() たいへん計画的な家計運営をされていらっしゃいます。貯蓄もしっかりできていますが住宅購入の前に、出産と再就職という大きなイベントがあることを忘れずに。 出産後の母子の健康状態や再就職による収入等の見とおしをもった上で、具体的な住宅購入の資金計画を検討するのがよいでしょう。 ![]() 小さなお子様がいて、奥様は働きに出られない、という家庭では、やりくりが大変なことが多いものです。 その点、赤字を出さずにしっかり貯蓄ができており、模範的な家計といえます。 なぜそれが可能なのか、ポイントは次のとおりです。 ![]() 支出欄を見ると、食費や洋服、雑貨などモノにかかるお金はかなり抑えられています。一方、携帯電話やインターネットのプロバイダ代など、情報収集やコミュニケーションのための費用はしっかり確保されています。生活設計上の決定をするにあたっては、情報の収集と選択はとても重要になっています。 ![]() 雑貨や洋服はお金を貯めて計画的にまとめ買いをされています。これで無駄遣いを防ぐことができます。また、1年以内にかかるとわかっている出産費用も、あらかじめ項目を立てて準備されています。こうすると、あとで慌てなくて済みます。 これから誕生するお子さんの教育資金も、低金利時代の考え方として、保障が必要な場合や預貯金ではつい使ってしまいそうという方に子ども保険は有用ですが、きちんとコントロール出来る方なら、預貯金の積み立てや保険との併用でもよいでしょう。 積立の手段として子ども保険と預貯金を比べる場合は、保険は保険料の総額と受け取る金額の総額を試算してもらいましょう。 ![]() 働いていないので、自分のためにお金を使うのは後ろめたいという方も多いものです。洋服や化粧品代など家族のものといっしょに被服費や衛生費に入れてしまってもよいのですが、自分のための予算として別建てにすると、ほかにも使いみちがでてきます。たとえば、ストレスがたまってしまったとき、ご主人にお子様を預けて喫茶店で息抜きをする、将来の再就職に備えて、自治体などが主催する講座に出かける、など、将来に向けた自己投資もできます。家事育児をこなしているのですから、家計の範囲で妻のこづかいも予算にいれるのは決して悪いことではありません。 きっちり管理する一方で、気をつけたいのは、管理している本人は納得できても、家族が不満をもつ場合です。まず、家計管理を行う目的――この場合は住宅購入――を家族間で明確にしておくことです。 また、節約するだけでなく、家族の誕生日や良いことがあった日などは、特別に楽しみのための支出もするということが、長続きさせるために必要です。 ![]() 物件価格3000万円の住宅を購入する場合、一般的には、少なくとも頭金2割+諸経費1割で900万円の自己資金が必要になります。ご両親からの援助と現在の貯蓄ペースを見る限り、5年後に準備は可能と思われます。 しかし、その後のローン返済額を、借入れ金2400万円、返済期間20年、固定金利、年利2.5%で計算した場合、毎月約12万7000円となります。返済期間25年では約10万8000円です。 現在の家賃から見ると、住居費の負担が倍になります。お子様の成長とともに生活費や教育費もかかるようになり、返済期間を長くして毎月の返済額を減らし繰り上げ返済をしていく方法が、思うようにいかないことも有り得ます。 金融機関によって、返済額の年収に占める割合が定まっていることが多く、ある銀行の例では、町田様の年収では30%以内、月返済額に直すと約8万円程度までです。この場合では、返済期間がさらに延びてしまいます。 つまり、マイホームの購入には、自己資金をさらに上乗せする、収入を増やす、費用を含めた予算を下げる、といった方法が必要になります。 自己資金の上乗せは今の貯蓄ペースを引き上げるのは難しいでしょう。あとは、住宅について研究して予算を再検討してはいかがでしょうか。ローンの利用額を少なくして、無理のない返済計画ができれば、購入時期を多少早めてもよろしいと思います。また、一定の収入が確保できるような見とおしをもって、再就職の準備をすることも有効な対策になるでしょう。 |
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