今年(2008年)の4月には、ガソリンの暫定税率をめぐって、毎日のようにニュースで取り上げられたのを覚えている人も多いと思います。このガソリン価格は、つい1年前までは120円前後でしたが、ここ1年で約50円も値上がりし、2008年6月にはレギュラーガソリンで170円と、約40%も値上がりしました。車を持っている人にとっては、とても大きな出費です。では、車を持つとどれぐらいお金がかかるのでしょうか。そこで今回は、“車にかかるお金”について考えてみたいと思います。
目次
車は持っているだけでお金がかかる
車にお金がかかるのは、ガソリン代だけではありません。実は車を持つと、使わなくてもたくさんのお金がかかるのです。
では、どんなことにお金がかかるのでしょうか。以下の4つが車を持つと必ずかかる主なお金です。
「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」「自動車保険」です。
1.自動車税
住んでいる都道府県ごとに、車の排気量に応じて支払わなければならない税金です。 毎年5月ごろに都道府県に納めます。
排気量 | 1年 |
---|---|
~1,000cc | 29,500円 |
1,000~1,500cc | 34,500円 |
1,500~2,000cc | 39,500円 |
2,000~2,500cc | 45,000円 |
2,500~3,000cc | 51,000円 |
軽自動車 | 7,200円 |
2.自動車重量税
「自動車の重さに応じてかかるお金です。このお金は、車検のときにまとめて支払います。
重量 | 年数 | ||
---|---|---|---|
3年 | 2年 | 1年 | |
~0.5t | 18,900円 | 12,600円 | 6,300円 |
0.5~1t | 37,800円 | 25,200円 | 12,600円 |
1t~1.5t | 56,700円 | 37,800円 | 18,900円 |
1.5t~2t | 75,600円 | 50,400円 | 25,200円 |
軽自動車 | 13,200円 | 8,800円 | 4,400円 |
3.自賠責保険
万が一のことがあったときに国から支払われる保険のことです。 この保険も自動車重量税と同様、車検のときにまとめて支払います。
車種 | 保険期間 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 | |
自家用乗用自動車 | 31,600 | 30,910 | 23,170 | 22,470 | 14,570 | 13,850 |
軽自動車 | 26,280 | 25,730 | 19,540 | 18,980 | 12,670 | 12,090 |
4.自動車保険(任意保険)
「3.自賠責保険」も万が一の際の保険ですが、それだけでは充分とはいえません。自賠責保険では死亡事故の場合に1人あたり3,000万円まで、傷害事故の場合は120万円までしか保障されず、また物を壊したときや自分の車が壊れたときの補償は、自賠責保険では払ってもらえません。そこで、自賠責保険では足りない部分をカバーしてくれるのが自動車保険です。
保険内容・年齢・等級(事故を起こす確率が低い人に割引を適用する制度)などによって大きく違います。以下が等級の表になります。
(図1)自動車保険の等級
※割引(割増)率の数字は、保険会社によって違う場合があります。
※初めて保険に加入する場合は6等級から始まります。
例えば、保険の内容が年間で10万円だった場合、1級の人は保険料が16万円なのに対して、16等級の人は4万円で済む、ということになります。
自動車保険は1年ごとに契約を更新し、もし前の年に無事故で保険を使わなければ等級は1つ上がりますが、事故などで保険を使ったときは等級が3つ下がります。
このほかにも駐車場を借りている場合には駐車場代などがかかります。
では、1年でどれくらいのお金がかかるのでしょうか。
ホンダCIVIC(1800cc、1.2t)を例に毎年いくらかかるか計算してみましょう。
(自賠責保険は2年分を2で割って計算。任意保険は毎年10万円。駐車場代は毎月1.5万円として計算)
自動車重量税 | 18,900円 |
自賠責保険 | 11,235円 |
自動車税 | 39,500円 |
任意保険 | 100,000円 |
駐車場 | 180,000円 |
合計 | 349,635円 |
年間で35万円もかかってしまいます。このお金は車を持っているだけでかかるお金ですので、実際はガソリン代や高速道路代など、さらにお金がかかることになります。
車を節約するポイント
車を持つことによりこれだけお金がかかってしまうと、「何とか節約をしたい!」と考える人が多いのは当然のことでしょう。しかし、税金で支払分は節約のしようがありません。では、どうすれば節約できるのでしょうか。以下の3つが主なポイントです。
1.自動車保険を見直す
こちらは現在、かなり安いプランが各社から出ています。最近では、各社からインターネットで複数の見積もりを取って比較するサイトもありますので、一番安い値段で契約をすればかなりのお得なプランが提示されます。
2.燃費のいい車を買う
ガソリン代を安くするためには、燃費の良い車、つまりガソリン1リットルで長い距離を走ることのできる車を買うとお得です。
(図2)年間10,000km走行した場合の比較
※レギュラーガソリン170円/リットルとして計算
例えば、1リットルあたり6kmしか走らない車と、18kmも走る車だと、1年で10,000km走るとすると、約19万円も違います。
3.車を持たない
地方に住んでいる人にとっては車が生活の“足”であり車は必需品ですが、東京や大阪などは電車やバスなどの公共交通機関が充実していることもあり、車は必ずしも生活必需品ではない人も大勢います。そのような人は思い切って車を買うのをあきらめて、多少めんどうでも電車を使い、遠くに出かけるときにはレンタカー、あるいは友達などから車を借りるというのも一つの方法です。
特に最近ではガソリン代だけでなく、食べ物の値段も値上がりしており、生活費を節約するために「車を持たない」という人は増えていくかもしれません。ちなみに、もし車を買わないとしても他の車に乗るのであれば、借りた車で事故を起こしても補償される『ドライバー保険』という自動車保険に入っておくと安心でしょう。
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信会社に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。