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古鉄 恵美子先生 (こてつ えみこ) プロフィール |
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小金丸 聡さん(仮名)のご相談
先日結婚しましたが、夫婦とも保険に全く加入していません。結婚を機に保険に加入しようと思っていますが、どんな保険に加入したらよいのでしょうか。なお、私たちは共働きで、20代のうちは子どもを持つ予定はありません。また、子どもが生まれたあとも、妻は仕事は続けるつもりです。
小金丸さん(仮名)のプロフィール | |
25歳、会社員。同い年の奥さん(会社員)とは結婚したばかり。世帯年収は約700万円ほど、現在の貯蓄残高は約400万円。 現在は賃貸住宅で新生活を営んでいる。 |
二人とも会社員として自立しているので、
まずは病気やけがに備えて医療保険から
まずは病気やけがに備えて医療保険から
まず、保障についてですが、保障には大きく分けて「死亡保障」「医療保障」「生存(老後)保障」があります。
「死亡保障」が必要なのは、その人が亡くなったら、すぐに生活に困る扶養家族のいる人です。小金丸さんの場合、小金丸さんが亡くなっても、奥様は自分の収入で生活していくことができ、また、奥様が亡くなっても、小金丸さんは自分の収入で生活できます。このため、それぞれが亡くなっても、必要となるのは葬儀費用等ですが、これも現在の貯蓄でまかなえるのであれば、それぞれに死亡保障は必要ないでしょう。
また、「生存(老後)保障」も現時点では必要ありません。公的年金があてにならないからといって、若いうちから個人年金保険に加入する人がいますが、老後の生活を迎えるまでに、住宅資金や子どもの教育資金など、さまざまな資金が必要になることが多く、老後にならなければ受け取ることができない金融商品に、資金を固定してしまうのは得策ではありません。お金を貯めたいのなら、若いうちは、使途を限定しない金融商品で貯めていったほうがよいでしょう。
小金丸さん夫妻に必要なのは、病気やけがで入院したり手術したときに備える「医療保険」です。ただし、会社員は自営業者に比べ公的な保障が厚く、また、会社によっては独自の給付制度を設けているところもあるので、まず、自分たちが加入している健康保険の給付内容や、会社の給付制度について調べましょう。これらのすでに加入している保障制度で不足する分を、民間の医療保険でまかなうのですが、入院や手術したときの出費を全額、医療保険でまかなおうとすると、保険料の負担が大きくなります。医療費は貯蓄でもまかなえるため、それを考慮して保障額は考えましょう。
女性が医療保険に入る場合は、妊娠する前に
加入している健康保険や会社の制度で、入院等に対して上乗せ給付がない場合は、入院給付金日額5000円から8000円くらいが目安となります。
医療保険にはさまざまなタイプがありますが、終身タイプで、60歳までの入院給付限度日数60日、60歳からは120日になる医療保険に、入院給付金日額5000円で加入する場合、小金丸さんの月払い保険料は1685円、奥様の月払い保険料は1655円になります(終身払い、インターネット割引適用)。
なお、当面、子どもを持つつもりはないとのことですが、将来的には子どもを産む予定であれば、奥様は妊娠する前に医療保険に加入しましょう。妊娠すると、無事に出産するまでは医療保険に加入できないところが多く、また、帝王切開の場合は、その後、医療保険に加入しても「帝王切開については手術給付金が支払われない」というような条件がつくことが多くなります。妊娠するまでに加入しておくと、妊娠中毒症などで入院するようなことがあっても入院給付金が支払われ、また、帝王切開の場合も手術給付金が支払われます。
子供が生まれたら、死亡保障の生命保険に
子どもが生まれた場合は、それぞれ死亡保障の保険に加入する必要が出てくるので、保険料負担が増えます。これに備え、今のうちから貯蓄をしておくとよいでしょう。