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古鉄 恵美子先生 (こてつ えみこ) プロフィール |
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梁田 善光さん(仮名)のご相談
現在、こちらの保険に入っています。
私の保険はあまり理解しないまま、進められる通りに加入しました。
この契約だと更新時に保険料が倍になり、また62歳での払い込み終了後はがんと終身10万しか残りません。
また、特約が必要以上についているのではないかと思い、見直しを検討しています。
見直し案として、勤めている会社の組合の上部団体に共済制度があり、こちらに乗り換えようかと思っています。ただし、この共済は組合脱退もしくは、会社退職時には入れなくなり、また65歳までの加入となっています。妻は第一子を11月に出産予定です。子どもは2人を希望しています。
私の考えは、共済とそれ以外に終身医療をプラスしようかと思っています。
妻のほうはこのままにし、満期時に共済へ加入しようと思っています。
アドバイスのほう宜しくお願いします。
梁田さん(仮名)のプロフィール | |
31歳、男性、会社員。専業主婦の奥様(30歳)との2人家族だが、今年11月には第一子誕生予定。世帯年収は約470万、現在は賃貸住宅暮らし。 |
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ご加入済み保険の内容 |
終身の医療保険に加入し、死亡保障は見直しもしやすく
保険料総額も安くなる死亡保障は定期保険で
保険料総額も安くなる死亡保障は定期保険で
これから3年くらいが最も保障を厚くする時期
まず、ご主人の保障についてですが、一般的に一家の稼ぎ手の必要死亡保障額は、下のお子様が生まれたときに最も多く、お子様の成長に従って減少していきます。
お子様の教育を大学卒業までと考えているのであれば、生まれたばかりの時に一家の稼ぎ手が亡くなると、子ども費の支出だけを考えても、その後22年間の教育費と生活費が必要になります。お子様が10歳になった時に亡くなると、その後、12年分の教育費と生活費が必要です。20歳になっていたら、あと2年分ですが、この頃になると、自分でアルバイトをして、ある程度収入を得ることも可能になってきます。
11月に第1子が誕生予定で、3年後には第2子の予定があるということですが、今から3年間くらいが、人生で最も死亡保障を厚くしておく必要がある時期といえます。
必要な死亡保障額を算出するとき、まず、その人が亡くなったら、遺された家族は、いくらあれば予定通りの生活を送れるかを出さなければなりません。
遺された家族の今後の生活費や教育費など、必要になる金額から、一家の稼ぎ手が亡くなることによって入ってくる遺族年金や死亡退職金、すでにある貯蓄、奥様の収入などを差し引いたものが、死亡保障の保険でカバーしておく必要がある金額となります。
これからご家族に必要な額は1億円
今後必要になる資金ですが、今は賃貸住宅にお住まいですが、ご主人がなくなった場合、奥様は実家に戻るということなので、住居費はかからなくなります。
お子様の教育方針は、高校までが公立で、大学は私立ということなので、おけいこ事や学習塾の費用などを含めた教育費は1人あたり約1360万円必要となります。
お子様の生活費は大学卒業まで、奥様の生活費は85歳までとすると、生活費は約8700万円必要です。 教育費と合わせると、約1億円となります。
保険で準備する死亡保障は3000万円
ここから、現時点でご主人がなくなった場合に会社から支払われる死亡退職金約100万円と現在の貯蓄額約800万円を差し引くと、必要な金額は約9100万円に減ります。
また、遺族年金は、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給できます。遺族基礎年金は、子どもが1人いる妻には、年間102万3100円(平成16年度)が、子どもが18歳になったあとの年度末まで支給されます。遺族厚生年金は、奥様が再婚しない限り、一生受け取ることができます。
梁田様の場合、遺族厚生年金は年額45万3000円(概算)で、奥様が85歳まで生きられたとすると、総額で約2490万円になります。遺族基礎年金と遺族厚生年金の合計額は、約4330万円となります。これを必要になる金額から差し引くと、約4770万円になります。
また、ご主人が亡くなったら、奥様は働き、年額180万円くらい収入を得ることができるということなので、お子様が3歳になったころから60歳まで働くとすると、総額で4680万円の収入があることになります。ただし、まだ実際には働いていないので、この金額を参考程度にすると、現時点で、ご主人の必要な死亡保障は、3000万円くらいあればよいでしょう。
共済には医療保障も含まれます
一方、現在加入している保険の死亡保障額は、病気死亡で4500万円、事故死亡で5500万円です。
勤務している会社に共済制度があり、会社にいる間は加入できるので、共済と終身の医療保障を検討しているとのことですが、会社の共済には、医療保障も含まれています。お子様の成長に合わせ、死亡保障を減らすと、一緒に医療保障額も減ってしまいます。また、この他に終身の医療保険に加入すれば、医療保障が厚くなりすぎます。
医療保障は一生必要だと思うのなら、会社の共済ではなく、終身の医療保険に加入し、死亡保障は一定期間だけ保障のある定期保険に加入した方が、死亡保障額の見直しもしやすく、保険料の総額も安くなります。
お子様の成長に合わせて保障額を増減させましょう
定期保険の保険金額は、現時点では3000万円程度にし、2人目のお子様ができたら、保障額をもう少し増やします。そして、お子様の成長に合わせ、保障額を減額していきましょう。医療保険の入院給付金日額は、会社員の場合、5000円から7000円程度でよいでしょう。保険に入り直す場合は、新しい保険が有効になってから、いま加入している保険を解約します。
なお、奥様の医療保障は、養老保険に特約として付いていますが、養老保険の満期とともに、医療保障もなくなってしまいます。その時点で、健康状態に問題があれば、医療保険に加入できない可能性もあります。お子様が生まれたら、医療保険に加入し、養老保険の医療特約は外しましょう。
また、予定利率が低く、貯蓄性の低い養老保険なので、養老保険の保険料の総額と、受取額を比較し、貯蓄性が劣るようであれば、解約も検討しましょう。