老後のためにいくら準備したらいい?


ゆとりある老後を過ごすために準備したい金額の目安

退職後も今の生活水準を維持したい、豊かな老後の生活を送りたいと考えた場合、どれぐらい資金が必要になるでしょうか?生命保険文化センターの統計をもとに考えてみます。

<表A リタイア後の生活費総額の目安>
  リタイアする年齢
55歳 60歳 65歳
 平均的な老後生活費の総額 8700万円 7300万円 6000万円
 ゆとりある老後生活費の総額 1億3800万円 1億1600万円 9500万円

40~45歳頃の世帯税込年収を300~500万円と想定。シングルの方の目安は上記金額の7割ほどになります。(生命保険文化センターの「定年指南(H12.5)」より抜粋)

<表B 公的年金受取額の目安(夫婦2人の場合)>
50歳時の税込月収 税込年収換算 年金総額
30万円 510万円 4883万円
40万円 680万円 5433万円
50万円 850万円 5953万円
60万円 1020万円 6503万円

シングルの方の年金総額の目安は、上記金額の約7割ほど、自営業のご夫婦の方の年金総額の目安は約2400万円ほどになります。(生命保険文化センターの「定年指南(H12.5)」より抜粋)

<表C 退職金と企業年金の合計額の目安>
勤続年数
従業員数
30~99人 100~299人 300~999人 1000人以上
25~29年 695万円 896万円 1111万円 1351万円
30~34年 1043万円 1134万円 1530万円 2010万円
35年以上 1223万円 1721万円 1959万円 2487万円

(労働省<現・厚生労働省>平成10年版・賃金労働時間制度等総合調査より)

「Aの金額-Bの金額-Cの金額」が、年金生活開始までに貯める金額の目安となります。菊池さんの「老後のために貯める金額の目安」を計算してみましょう。

A=9500万円(60歳の定年後は再就職して65歳までは働くというプランのため)
B=5433万円(50歳時の税込み月収を40万円と想定すると)
C=2487万円(35年以上勤続とする)

菊池さんの老後のための貯蓄目標額はA(9500万円)-B(5433万円)-C(2487万円)=1580万円となります。1580万円が65歳までに貯める金額の目標額です。予定通り福利厚生事業団と民間生保の個人年金を続けていけば、ほぼ達成できそうですね。ただしリタイアの時期が前倒しになったり、転職したりすれば計算し直すことが必要になるので注意しましょう。でも共稼ぎを続けられれば、リタイアが多少前倒しになっても大丈夫そうですね。

一方、27歳と若い時に「老後資金を貯め始めよう」と思った菊池さんはラッキーです。積み立て開始が5年遅れるごとに、貯めることのできる総額は激減していくからです。老後資金は「思い立ったらすぐ貯め始め、運用して殖やしていくことが大切」なのです。

<表D 「運用は今すぐ!」が肝心。-スタート時期でこんなに違う運用結果->
~ 毎月4万円積み立てた場合の65歳時点での運用結果 ~
運用開始年齢
(運用期間)
1% 3% 5%
30歳(35年) 2010万円 2966万円 4544万円
40歳(25年) 1362万円 1784万円 2382万円
50歳(15年) 776万円 907万円 1069万円
60歳(5年) 245万円 258万円 272万円