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上野 やすみ先生 プロフィール |
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江口 典子さん(仮名)のご相談
7月に出産予定のため、5月で退職、それ以降は子育てのため専業主婦になります。収入も減るため、現在加入している11,000円の保険では高すぎると考えています。死亡保障は100万円、入院は日額5000円、1入院あたり60日までの終身医療保険を希望していますが、妊娠中でも保険の契約ができるのでしょうか? それとも出産後に見直したほうがいいのでしょうか?
また、夫は保険に未加入のため、死亡保障は3000万円の定期保険か逓減定期保険、変額保険など、入院日額5000円の終身医療保険に加入しようと考えておりますが、ファミリー保険といった商品のほうがお得なのでしょうか?
夫の月収は25万円しかありませんので、保険に掛ける費用は夫1万円、私5000円、学資保険5000円程度を考えております。この額でも必要な保障を満たすことができるのでしょうか。
江口 典子さん(仮名)のプロフィール
27歳、主婦。同い年のご主人(会社員)との2人家族。7月に第1子出産予定。
・家計状況
1.月間収入(手取り) | |
夫 | 250,000 円 |
2.月間支出費用 | |
住居費 | 80,000 円 |
食費 | 40,000 円 |
水道光熱費 | 30,000 円 |
通信費 | 10,000 円 |
教育費 | 0 円 |
こづかい | 60,000 円 (30,000 円 X2) |
3.保険料・貯蓄 | |
月保険料 | 夫 10,000 円 |
月貯蓄・投資額 | 食費で余った分(1万円程度) |
4.ボーナス | |
手取り | なし |
5.資産・負債の状況 | |
現在の貯蓄残高 | 1,500,000 円 |
・保険の加入状況
A生命保険 自由設計型保険 | |||
種類 | 終身(医療保険は定期) | 被保険者の名義 | 本人 |
加入時期 | 平成 15年 | 期間 | 80歳まで |
保険金額 | 300 万円 | 月額保険料 | 10,387 円 |
医療保障、入院給付金の一日の額 | 5,000 円 |
妊娠中は保険の加入が制限されるので見直しは出産後に行いましょう。割安な保険料で大きな保障を得るなら逓減定期や収入保障保険を。
死亡保障は「妊娠7ヶ月以内」、医療保障は「妊娠27週以内」に
出産・退職をきっかけに保険を見直したいというご相談ですね。現在、江口さんがご加入中の保険は積立タイプのため、毎月の保険料が多くなっています。ご希望の医療保障中心のものに変えれば保険料負担も軽くなるでしょう。
ただ、妊娠中は保険に加入できなかったり、保障内容が限定される場合があります。加入の条件は保険会社によっても若干異なりますが、定期保険など死亡保障は『妊娠7ヶ月以内』までは加入できるところが多いです。
医療保障においては、それよりも厳しくなり、多くの保険会社で妊娠中の加入はできないようになっています。加入できるところとしては、損保ジャパンひまわり生命「女性のための入院保険フェミニーナ」がありますが、「妊娠27週以内で健康状態に異常がない場合」とされていますので、出産間近の江口さんは加入できません。
死亡保障、入院保障ともに出産後1ヶ月経過後から加入できるようになりますので、新しい保険への加入は出産後にするようにしましょう。その場合も、今回の出産が帝王切開になった場合、新しい保険では保障されません。そのほかの妊娠にまつわる病気についても対象外となる場合がありますので、加入時によく確認してください。
まず現在の保険を減額、出産後は終身医療保険へ見直しを
新しく保険に加入するのは出産後にするとして、現在の保険は入院保障をそのまま残し、積立部分に回っている保険料を減らして毎月の負担を軽くしましょう。
出産後は定期保険と終身医療保険に加入し、診査が通って保障が開始されてから現在の保険を解約します。
専業主婦の場合、お子様が小さいうちは万一のときに家事・育児の負担が遺族にかかるため、死亡保障は500万円~1000万円程度準備しておきたいところです。オリックス生命のオリックスダイレクト定期保険では、死亡保障500万円、保険期間10年の場合、毎月の保険料は730円です。オリックス生命の場合、1ヶ月の保険料が2500円未満の場合は半年払いか年払いで支払うようになります。年払いでは8360円で、1ヶ月あたり697円と割引になります。
医療保障ではアメリカンファミリーの終身医療保険EVERがご希望に近いでしょう。入院日額5000円、日帰り入院から1入院60日までの保障で、毎月の保険料は1630円(27歳女性)です。
これで現在の保険料11,000円から2,360円へと、大幅に節約できます。
ご主人の保障は3000万円~4000万円を目安に
出産と江口さんの退職が重なるため、ご主人は大きめの保障を確保することが重要です。
現在は未加入とできるだけ早く加入するようにしましょう。ファミリータイプの保険は、ご主人に万一のことがあったできるだけ一人ひとりが保険に加入することをおすすめします。
ご主人に万一のことがあった場合には、お子様が高校を卒業するまで毎月約13万円の遺族年金がもらえるので、3000万円~4000万円の保障を準備しておけば、現在のご主人の月収程度の生活費を20年分確保することができます。
商品名 | 死亡保障 | 保険期間 | 保険料月額 |
---|---|---|---|
オリックス生命 オリックスダイレクト定期保険 |
3000万円 | 15年 (42歳) |
5,610円 |
アリコジャパン 逓減定期保険 |
3000万円 | 20年 (47歳) |
4,110円 |
東京海上日動あんしん生命 家計保障定期保険 |
月々15万円 (加入時5940万円) |
33年 (60歳) |
3,227円 |
オリックス生命のオリックスダイレクト定期保険は、保険期間中ずっと保障額は変わりません。お子様が中学生くらいになるまで、ある程度大きな保障を確保したい場合に向いています。保険期間を5年刻みに設定できるので、5年毎に少しずつ減額しながら更新してもいいでしょう。
アリコジャパンの逓減定期保険は、加入時の死亡保障が3000万円で毎年150万円ずつ自動的に減額していき、17年目~20年目は600万円となります。
東京海上日動あんしん生命の家計保障定期保険は、分割払いで保険金を受け取るので計画的に使うことができますが、毎年雑所得として税金がかかる点に注意してください。
医療保障では、入院日額5000円のアメリカンファミリー「EVER」に加入した場合、毎月の保険料は1700円(27歳男性)です。
死亡保障と合わせても5000円~7000円の保険料で、必要な保障が確保できます。