マイホームの夢実現のためには、働かないとダメでしょうか?


マイホームの夢実現のためには、働かないとダメでしょうか?

山根 克規先生 (やまね かつのり) プロフィール
 
  • 自分たちの人生にとって、住宅はどのような意味をもっているのか?じっくり考えましょう。
  • どうしても必要なものであれば、お仕事をすることや必要な努力をしましょう。
  • 人生設計のためには家計をきっちり把握すること。そのためにも家計簿をつけましょう。

山本典子さん(仮名)のご相談

マイホームを建てるための自己資金をためたいのですがなかなか貯蓄ができません。 保険料の見直しなどを行ったほうがよいのでしょうか? 目標は月に4万円を貯蓄したいのですが、どうやっても0に近いかもしくはマイナスです。 やはり私が働かないと、マイホームは無理なのでしょうか?

31歳、公務員。公務員の夫(32歳)と長男(3歳)、長女(0歳)と同居中。
住居 : 賃貸
世帯年収 : 660 万円

家計の状況

支出

  金額 頻度
(月々/ボーナス払い/年払い等)
食費 30,000円 月々
水道 8,800円 2ヶ月に一度
電気代 6,000円 月々
ガス代 9,000円 月々
通信費 25,000円 月々
子ども費(学費など) 15,000円 月々
自動車関連費用(ガソリン代・自動車保険料など) 25,000円 月々
レジャー費 10,000円 月々
夫こづかい 24,000円 月々
妻こづかい 10,000円 月々
生命保険料 47,000円 月々
雑費 15,000円 月々
家賃 88,200円 月々
貯蓄 650万円


加入保険

保険種類 契約者 被保険者名 保険金額
あるいは
給付金額

保険料 保険期間
払込方 いつまで、いくら
 定期付終身保険  3,000万

月々 16,000円

終身
 定期付終身保険  1,000万

月々 6,500円

終身
教育保険 長男 240万

月々 12,500円

15年満期

教育保険 長女 240万

月々 12,500円

15年満期

購入も賃貸も、生涯の支払額は同じくらい
理想のマイホームを明確にイメージすることが大切

多くの方が望むマイホームですが、現実はなかなか厳しいものですね。 しかし夢は実現できるものです。そのためにはまず目標を明確にすることです。いつまでに、どこに、どのようなマイホームを建てるのか。そのためにはいくら必要なのか。これがスタートになります。

なかなか貯蓄できないとありますが、お見受けすると、ご本人も気付いていない「使途不明金」が随分おありのようです。上記の収支であれば、年間200万円近くは貯蓄できると思います。もしそんなにできていないということであれば、今一度家計のチェックが必要です。 そのためには家計簿を活用されることをお勧めいたします。家計簿をつけることで、家計の実態がつかめ、また貯蓄への励みにもなります。そのためにも、目標が明確であればあるほど、効果的です。

住宅展示場に行って、実際に理想の家を探して見ましょう。どこに、どのような家を建てるべきか、ご夫婦で夢を語り合いましょう。そして具体的に見積もりをしてもらいましょう。今すぐに購入するわけではないにせよ、目安になります。そしてできれば、理想の住宅の写真を目に付くところや、家計簿に張ってみましょう。さらに励みができ、貯蓄への強い意志が生まれます。

さて目標が決まれば、次は計画です。この計画が不十分であれば、目標は達成されません。そこでいつまでに、いくら必要なのか、そのために現在ある貯蓄はいくらか、そして不足するのはいくらか、を計算し、毎年の必要貯蓄額を割り出します。そこで再度、家計簿に基づき、現実的にそれが可能であるのか、検討します。ご夫婦でじっくり、検討、計算してみるのです。その結果、可能であれば、家計管理をきっちりした上で、目標達成の努力を楽しみましょう。 しかし検討の結果、どうしても無理なのであれば、検討すべきは以下の3つです。

1、節約
2、計画変更
3、収入増

まず家計の見直しをすることで、費用を捻出することを検討しましょう。

その中でご質問の保険ですが、現在ご加入の保険は半分以上がお子様の教育資金のための、貯蓄型の保険ですから、それは必要だと思います。また、それ以外の保険もそんなに過度であるようにも思いません。しかし、お仕事柄、職場で用意された任意加入の保険が充実していると思います。まずはそちらを検討することで、節約できる可能性は十分あります。一度、職場で用意されている保険のプランをご検討下さい

通信費も、携帯のプラン変更など、できる限りの努力をしてみましょう。他にも気になる部分をきっちり見直し、少しでもお金を捻出してみましょう。それでもだめなら、計画を再度見直します。

概算で取った見積もりが基本ですので、まだまだ安くなる方法があるかもしれません。何度もハウスビルダーの方と打合せをして、何とか安くなる方法、安くできるビルダー探しなどを試みて見ましょう。 そしてある程度金額が下がったとしても、まだ、どうしても理想とするマイホームが無理のようであれば、計画を変更して理想を少し妥協することも考えないといけません。 どうしてもあきらめたくない、妥協したくない、理想的なマイホームが欲しい!ということであれば、ぜひ収入を増やしましょう

今現在典子さんがお仕事をしていないのであれば、お仕事するだけで、世帯収入は格段に増えます。これまでは0だったものが、毎月何万円、働き次第で何十万円となります。 私もこれまでの経験上、このように奥様が一念発起して頑張った結果、ご主人の収入を超した!なんていう方も数多くいらっしゃいます。ぜひお仕事をすることも考えましょう。

ただお仕事がしたくないということであれば、理想のマイホームはあきらめ、理想を下げてみるべきでしょう。また発想を変え、購入しなくても賃貸でも良いという考え方もあります。

人生設計にあったマイホームとは

単純に今のような金利や経済環境であれば、一生涯で考えたら、同じような住宅であれば、賃貸も購入も支払い金額は変わらないか、ローンの組み方によっては購入のほうがはるかにお金がかかります。住宅購入は、お金がかかる云々ではなく、そのような家が欲しいかどうかです。理想的な間取り、デザインなど賃貸ではできない何かが得たいと思うかどうかです。ここには安い、高いは二の次です。 これは自動車購入と似ていますよね。高いのはわかっていても、この車種が欲しいから買う。これと同じだと思って下さい。

もしそこまでのこだわりがないのであれば、周りが購入するから、私達も・・・
等と考える必要もなく、我が家の人生設計を考えて見ましょう。

住宅購入は一生の中で一番高い買い物といわれてますよね。これで失敗すると一生が苦労の連続になります。私も仕事柄、そのような方を数多く見てきました。

一方、理想的なマイホームを手に入れ幸せな人生を送っていらっしゃる方もいらっしゃれば、好きなときに好きなところに住み替える魅力で、賃貸を選択され、いつも気楽に新鮮な気持ちで人生を謳歌されていらっしゃる方も数多くいらっしゃいます。

つまりご自身がどのような人生を送ると幸せであるかをしっかり見定めることです。そしてそれを現実にするための計画を持つことです。その計画を実行する上で必要なことであれば、ドンドン努力しましょう。また必要でないことは避けると良いでしょう。お二人、ご家族にとって住宅購入はどのような意味を持っているのか、ぜひご夫婦で納得できるまでお話し合い下さい。その上で資金計画を立てられると、より良い結果が生まれます。

ぜひハッピーな人生を楽しみましょう!