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森田 和子先生(もりた かずこ) プロフィール |
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奥田 美緒さん(仮名 30歳 会社員)のご相談
会社の同僚から「マイホーム資金は財形で貯めるといい。家を買う時に財形で借りる人もいるから」と言われました。財形で貯めると、どのようなメリットがあるのでしょうか。子供も欲しいので、育休中に積み立てを続けられるのかも心配です。
奥田 美緒さん(仮名)のプロフィール
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給与天引きの財形なら住宅資金を確実に貯められます。
住宅購入時には財形の融資や勤務先の支援制度も確認しておきましょう。
住宅購入時には財形の融資や勤務先の支援制度も確認しておきましょう。
こんにちは、奥田さん。ご相談ありがとうございます。給与天引きで積立ができる財形なら、住宅資金を確実に貯めることができます。マイホームを購入する時には、財形をしている人が使える住宅ローンもあり、勤務先によってはローンの利子を補給してくれるところもあります。産休・育休中には積み立てを中断することもできるので、詳しく確認していきましょう。
財形には3つの種類がある
財形の正式な名称は、「勤労者財産形成促進制度」です。働く人の財産づくりを支援する制度のため、利子が非課税になるなど、税金面で優遇される場合があります。給与や賞与からの天引きの積立になるため、勤務先に財形制度があれば利用できます。
財形には、3つの種類があります。貯蓄の目的を限らない「一般財形貯蓄」、住宅取得・増改築を目的とする「財形住宅貯蓄」、60歳以上の年金を目的とする「財形年金貯蓄」の3つで、これらを併用することも可能です。
【財形の3種類】
一般財形貯蓄 | |
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使いみち | 自由 |
年齢 | 条件なし |
積立期間 | 3年以上 |
利子等 非課税 |
優遇措置なし(利子等に課税) |
払い出し | 貯蓄開始より1年経過後から自由 |
財形住宅貯蓄 | |
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使いみち | 住宅取得・増改築 |
年齢 | 55歳未満 |
積立期間 | 5年以上 |
利子等 非課税 |
財形年金貯蓄と合算して550万円まで(※1) |
払い出し | 住宅取得・増改築時 |
財形年金貯蓄 | |
---|---|
使いみち | 年金 |
年齢 | 55歳未満 |
積立期間 | 5年以上 |
利子等 非課税 |
財形住宅貯蓄と合算して一定額まで(※2) |
払い出し | 60歳以降 |
※1 財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の合計で、(1)預貯金等は、元本(預入額+元加利息)550万円まで利子等非課税、(2)保険等は、払込累計 550万円まで利子等非課税。
※2 財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の合計で、(1)預貯金等は、元本(預入額+元加利息)550万円まで利子等非課税、(2)保険等は、払込額 385万円まで利子差益非課税。
一般財形貯蓄は年齢にかかわらず利用できます。貯蓄開始から1年を経過すれば自由に払い出すことができ、使いみちも自由です。財形住宅貯蓄は払い出しの目的が住宅取得・増改築に限られ、財形年金貯蓄は60歳以降の年金に限られます。どちらも利用できるのは55歳未満の人で、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合計して、預貯金は550万円まで等の利子非課税が認められています。
財形住宅貯蓄については、積立を5年以上していなくても、住宅を購入する時等に払い出すことができます。それ以外の目的での払い出しでは非課税にはならず、一定の利子に課税されます。財形年金貯蓄についても、60歳以降の年金以外の払い出しを行うと、一定の利子等に課税されます。
ただし、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を本来の目的以外で払い出す場合であっても、災害、疾病、寡婦または寡夫になった等の理由による払い出しは、一定の条件を満たせば非課税となります。
財形で貯蓄をしている人が利用できる住宅ローンがある
財形を利用している人がマイホームの建築や購入、リフォームなどを行う場合には、財形の融資を利用できる場合があります。財形住宅貯蓄に限らず、一般財形貯蓄や財形年金貯蓄でも構いません。いずれかで1年以上積立てをし、貯蓄残高が50万円以上ある人が対象で、貯蓄残高の10倍以内、最高4000万円まで、住宅取得・増改築の費用の90%以内の融資が受けられます。
勤務先によっては、ローンの利子を補給するなどの負担軽減措置を受けられる場合があるので、奥田さんも勤務先で確認しておきましょう。
育児休業には特別の扱いがある
奥田さんは将来、お子様が誕生して休業する場合を心配されていますね。
一般財形貯蓄であれば、積立は自由に中断できます。
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、利息の非課税措置があるため、積立を中断できる期間は原則として最大2年間ですが、産前・産後休業と3歳未満の子の育児休業の場合は期間が延長されます。休業の開始前に手続きをすることで、休業の終了まで中断することができます。休業終了後の最初の給与支払い日から積立を再開すれば、非課税での積立を継続することができます。
低金利が続いているため、利子の非課税にメリットは感じられないかもしれません。しかし、給与天引きであれば、自動的に、意識することなく確実に貯められます。
財形の融資については、実際にマイホームを購入する時に、他の住宅ローンと比較して検討すればよいでしょう。その時の選択肢を増やす意味でも財形にはメリットがあると言えるのではないでしょうか。
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