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収入はそこそこ有るのに毎月赤字続き、
ボーナスはその穴埋めで貯蓄ができません
山根 克規先生 (やまね かつのり) プロフィール |
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金子早織さん(仮名)のご相談
年収は740万と少ないほうではないと思うのですが月々は手取り27万で赤字続きです。
毎月決まって出るお金は光熱費、通信費も合わせて19万円を超えます。
そうすると手元に残るお金は8万弱でここから食費、お小遣い、などを出さなければならず、毎月現金が足りない分カードをつかってるせいか、ボーナスもほとんど残りません。
我が家の状況だと貯金はいくらぐらいするべきか、無駄はどこにあるのかしりたいです。
金子さんのプロフィール 33歳。38歳、会社員の夫、長女(5歳)の3人暮らし。住まいは持ち家(ローン返済中)。 |
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カードの支払いまで含めて家計を把握することから始めましょう
どうやら家計の収支管理がうまくできていないようですね。
まずはご自身の家計状況をしっかり把握することが大切です。
そのためにもぜひ家計簿をつけてみてはいかがでしょうか?
もし今まで家計簿をつけるのが続かなかったのでしたら、1、2ヶ月だけで結構ですので、しっかりつけて見ましょう。
それにより家計の特徴がわかり、どこを見直すべきかが分かってきます。
家計状況が把握できれば、家計簿をつけていなくても良いでしょうが、やはり努力して継続してみるほうが、より家計にプラスになると思いますよ。
それから気になるのが、カードの支払が大きく、またその内容を十分に把握できていないことです。
クレジットカードはうまく利用すると、大変便利でお得な部分も多々ありますが、逆に使い方を間違えれば、大変なことになります。今回も後者の状況といえます。
意外にも、年収がある程度高い方に起こりがちな現象で、収入があるからこそあまり家計のことも考えずにカードを多用してしまいます。
しかしそれでは後々大変なことになってしまいます。
支出を収入以内に納めることを意識する
今回の家計状況は、単に月収以上にお金を使っている。だから足りなくなっている、という事です。その不足分をカードで賄っているので、よく状況がつかめていませんが、単純にお金を使いすぎているといえます。現状毎月約30万円使っていらっしゃいますから、まずは全体的に1割削減しないと27万円に収まりません。
支出は収入の範囲内で抑えるというのが、家計の大原則です。
食費にしても、その他の支出にしても何も気にせず使っていては、家計はいつまでたっても楽になりません。
さらに言えば、手取り月収の1割を貯蓄に回して、残りのお金で生活できるように、努力しましょう。住宅ローンなど簡単に削減できないものもありますので、節約できる部分は2割でも3割でも減らしたところです。具体的に申し上げれば、27万円の手取りですので、最低でも2万円くらいは貯蓄に回すことです。できれば3万円貯蓄に回したいですね。残りの24,5万円で毎月の生活をやりくりしたいです。
このように言うと、「絶対無理」という方がいらっしゃいますが、それが基本になります。 その中でやりくりするのが大原則です。
一時的に支出が上回ることは仕方ありませんが、毎月そのような状況が続くのは大変なことです。もし本当に足りないようなら、収入アップを考えなくてはいけません。
食事を一日330円節約すれば、月1万円の節約
先ずは、収入の範囲内で生活するために、支出全体から3万円削減が第一目標です。 その後貯蓄に回せるよう、更なる努力が必要になります。
支出で気になるのが、夫婦共に小遣いが明確になっていないことです。小遣いの上限が決まっていれば、その範囲内で収めようとするはずですが、カードを使ったりして、結局把握ができていない状況です。家族構成から考えると、食費も高いようです。食費の中から奥様の小遣いを捻出するということで高めに設定しているのかもしれませんが、食費は食費で抑える、小遣いは上限を決め、少しでも残るよう努力する、ということが必要でしょう。一日330円節約できれば、月に1万円ですので、食費から1万円以上節約できると思いますよ。
光熱費も、こまめに電気を消す、コンセントから抜いて待機電力もカットする、電灯は蛍光灯に代える、お風呂はこまめに蓋をしてお湯の温度低下を防ぐなど節約方法は色々あります。光熱費だけで1割削減を目標に頑張りましょう。
通信費は携帯電話のプランを見直すことで、結構差が出る方も多いものです。 一度電話の使用状況を見直し、本当に合ったプランにしましょう。
保険の見直しで月9,000円の節約
生命保険も赤字続きの割りに支払が多いと思われます。生命保険の見直しは節約の王道ですので、ここは真剣に見直したいですね。
まず必要な保険金額(保障の額)を計算します。今ご主人に万一のことがあったときに、その後いくらの生活費が掛かるか試算してみます。基本生活費、教育費など今後発生する金額を考えます。ちなみに住宅ローンは、保険に加入しているので支払の必要がなくなります。これは大きいですね。
今後の必要生活費の合計から遺族年金、会社からの各種保障、貯蓄、奥様の収入などを考慮して、必要な保障額を求めます。ざっと考えても2~3,000万円位でしょうか。 この保険金額を定期保険で用意しましょう。定期保険とは一定期間の保障を目的とした保険で、掛捨てですので安い掛け金で保険を用意できます。
一例ですが、38歳男性で保障期間20年間、2000万円の保障ですと、保険料は7,040円となります。奥様の場合500万円から1000万円の保障で十分でしょう。この場合上記保険会社で試算すると2,080円です。お二人合わせて9,120円です。
それに日額1万円の医療保険を一生保障で、支払を60歳までとした場合、ご主人の保険料は6,300円、奥様は5,580円です。お子様の保険2,000円に加入したとして、家族全体で23,000円です。今の保険料から9,000円下がりますよ。
これは一例ですので、さらにお安くすることも可能です。保険は毎月、毎年と定期的かつ継続的に支払うものですから、内容をしっかりと吟味して、必要なものだけにご加入下さい。一度真剣に見直してみましょう。
その他の支出も、一つ一つ無駄な部分を見直して、全体で3万円以上のカットを目指しましょう。とにかく収入は決まっていますので、その中で何にお金をかけるのか、それを夫婦で話し合い、しっかり計画を立てて家計を管理していきましょう。
その習慣ができていないと、のちのち大変なことになりますよ。
ぜひ少しずつ頑張って下さいね。