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伊藤美和先生 プロフィール |
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山崎 綾乃さん(仮名)のご相談
母子家庭などが利用することができる郵便局の福祉定期(年利4.15%)が取り扱い中止となってしまいました。現在預け入れしてある分が満期になったらどうしたらいいか、困っています。
山崎 綾乃さん(仮名)のプロフィール
41歳 書店勤務。夫とは3年前に死別。持ち家(ローンは完済)に長女(14歳)、長男(10歳)との3人暮らし。
・貯蓄状況
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金利は下がるもののそれでも普通の25倍 しかも預入制限額が3倍の新型福祉定期を活用
「福祉定期郵便貯金」は、遺族基礎年金や老齢福祉年金・障害基礎年金など特定の年金を受け取っている人が利用できる郵便局の貯金でした。1年もので金利が4.15%と高いことで人気がありましたが、残念ながら本年(2002年)の2月末日をもって取り扱いが中止となりました。
同様の商品を扱っていた都市銀行や地方銀行、信用金庫やJAなども一昨年頃より取り扱いを中止したところがほとんどで、金融庁に取材しても「現在継続実施している金融機関の情報はない」という状況です。
郵便局では、福祉定期郵便貯金のかわりに「ニュー福祉定期郵便貯金」の取り扱いを2002年3月1日より始めました。金利は1年定期貯金金利+1.0%(現在は1.04%ほど)なので、旧福祉定期の4.15%と比べると見劣りします。残念ながら旧福祉定期のような高金利の代替商品情報は郵便局、民間金融機関を含めて、現在ありません。(注1)
これまでの1/4の金利でも、一般の25倍
現在預け入れの福祉定期は、ニュー福祉定期郵便貯金で継続されてはいかがでしょうか。4.15%→1.04%(直近の利回り)では「がっかり」としか言いようがありませんが、同期間の1年定期の25倍もの金利が上乗せされていることを考えると、やはり有利な商品といえるのではないでしょうか。
もう一つチェックしておきたいことがあります。以前の福祉定期では、全ての金融機関を合算して「1人、1金融機関のみ300万円」という利用限度額が定められていましたが、現在「新型福祉定期預金」などの名称で取り扱いされている商品は、銀行、JA、郵便局のそれぞれ別枠で、300万円までの取り扱いとなっています。新型福祉定期預金の利率は1~1.2%程度です(金融機関によって異なります)。
郵便局でニュー福祉定期郵便貯金(or従来の福祉定期)を300万円預けている場合でも、銀行で新型福祉定期預金を300万円預け入れることができます。(ただし郵便局の場合 旧福祉定期+ニュー福祉定期→合算で300万円が預け入れ限度額)(注2)
現在1%未満の利率で預けているスーパー定期のうち600万円について、銀行やJA等で、新型福祉定期預金に預け替えることを検討されてはいかがでしょうか。お近くの金融機関で詳細を尋ねてみることをお勧めいたします。
(注1) 金融庁などの回答による。ただし「地域限定or期間限定で同様のサービス商品を扱っている金融機関がある可能性は否定できない」とのこと。
(注2) 新型福祉定期預金等の預け入れについては、原則的な取り決めなので、各金融機関で実際の取り扱いが異なる場合があります。詳しくは、最寄りの金融機関でお尋ね下さい。
商品解説 (郵政省のホームページより)
ニュー福祉定期郵便貯金の概要
1.特徴
- 民間金融機関の福祉定期の代替商品(新型福祉定期など)の金利に準拠して、金利は1年の定期郵便貯金の利率(預入時)+1%。
- 対象者の拡大(535万人→831万人)。
- 取り扱い郵便局は全国いずれの郵便局でも可能。
- 民間金融機関で福祉定期預金を利用している方でも利用OK。
(旧福祉定期では、郵便局・民間金融機関を含め1預金者1店舗300万円までの利用しかできなかった)
2.概要
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(注3) 国民年金の第1号被保険者の遺族である妻に60歳から65歳になるまでの間支給。
(注4) 遺族厚生(共済)年金は被用者の遺族である子のない妻等に、障害厚生(共済)年金は障害等級3級の被用者に支給。