やってきましたボーナスシーズン!
そろそろ街にクリスマス飾りが目立つようになってきましたね。我が家では子供に急かされ、11月初旬からツリーやスノーマンやリースが飾られています。おかげで、12月に入って間もないのにもう新鮮さはありません…。でも、1年ぶりに(厳密には10カ月半ぶりに)ツリーやクリスマス飾りを出す瞬間の、あのわくわくした気持ちは、大人になっても変わらないものですね。子供にとってはもっとたまらないものなのでしょう。
12月といえば、クリスマスだけでなく、家計にとって大事なイベントがありますよね。そうです、待ちに待ったボーナスシーズンです(自営業などボーナスのない方、ごめんなさい!)。デフレ不況のさなか、少々目減りしたって「出ればハッピー」ですよね?
手にしたボーナスは何に使いますか? ニッポンの景気回復のためには、貯蓄ばかりでなく消費することも大事です。中長期的に余裕がある方は、ぜひともがんがん使ってくださいね。ただし、たいがいの方は、中長期的にお金の使い方のバランスを取っていかないと、ライフプランが成り立たない可能性も。だとしたら、今回のボーナスも、必要なものを買ったり返したりした以外は、今後の支出や将来に備えてしっかり貯蓄&投資をしましょう。
みんなどれくらい持っていて、何で運用している?
金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」(2003年、対象は2人以上の世帯)では、「貯蓄がある人の平均額」が1460万円で過去最高になったと報じられました。しかし、「貯蓄がない人まで含めた平均額」は1099万円、「中央値(数として中位にあるもの)」は850万円。「1460万円」だと「うちはそんな貯蓄ないぞ」と思う人も少なくないでしょうけれど、中央値の「850万円」と聞けば、半数がそれ以上の貯蓄を持っていることになるので、違和感は小さくなるでしょう。さらに、全世帯での平均負債額を、全世帯での平均貯蓄額から差し引いた「純資産額」は623万円で、ここ数年減少しています。
平成15年の金融商品別でみると、預貯金の構成比が62.5%で最も高く、比率は前年よりもアップしています。有価証券の比率は前年からするとむしろ下がり、1割以下。証券税制改正で直接投資を促進しようとした当局の目論見は、今年の結果を見る限りはずれています。「保険で貯蓄」の比率も前年よりややダウンしているものの、生損保、簡保、個人年金を全て含めると24.4%と比率は高め。全体としては、やや預貯金へと資金が流れている傾向がうかがえます。
平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成15年の実額 (前年差) |
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金融資産保有額 | 1,439万円 | 1,422万円 | 1,460万円 | 1,460万円 (38万円) |
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預貯金 | 58.20% | 58.30% | 62.50% | 912万円 (83万円) |
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預貯金 除く貯蓄 |
38.30% | 38.70% | 42.50% | 621万円 (71万円) |
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うち安定性 | 26.80% | 24.80% | 26.20% | 382万円 (30万円) |
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郵便貯金 | 19.90% | 19.60% | 19.90% | 291万円 (12万円) |
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貸付信託 金銭信託 |
2.10% | 1.70% | 1.30% | 19万円 (▲5万円) |
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生命保険 簡易保険 |
20.20% | 19.50% | 17.80% | 260万円 (▲17万円) |
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損害保険 | 2.20% | 2.70% | 2.10% | 30万円 (▲8万円) |
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個人年金 | 4.60% | 4.90% | 4.50% | 65万円 (▲4万円) |
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有価証券 | 9.20% | 10.30% | 9.50% | 139万円 (▲8万円) |
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債券 | 1.20% | 1.60% | 1.40% | 21万円 (▲2万円) |
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株式 | 6.30% | 6.60% | 6.60% | 96万円 (▲2万円) |
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投資信託 | 1.80% | 2.10% | 1.50% | 22万円 (▲8万円) |
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財形貯蓄 | 2.90% | 2.30% | 2.10% | 31万円 (▲1万円) |
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その他 金融商品 |
0.60% | 0.40% | 0.30% | 4万円 (▲2万円) |
貯蓄目的別・資産運用のツボ
ここからは、今回のボーナスを含めた資産運用についてのポイントを整理してみましょう。よく年代ごとに資産運用のポイントなどを整理したものを見かけますが、今はライフスタイルもさまざまで、「年齢」だけでは整理できなくなっているのを感じます。場合によってはミスリードも起こしかねないと思いますので、私は目的別貯蓄を整理することで、ポートフォリオを組むスタイルをオススメします。
もちろん、年代ごとにモデルも示し、ポートフォリオ例も入れました。貯蓄額は図表2の年代ごとの貯蓄額(平成13年のデータですが)を参考にしています。
(金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」より) | |||||||
平均 | 世帯主年齢階層別 | ||||||
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20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | ||
平成10年 | 1,309 | 330 | 625 | 1,103 | 1,431 | 1,751 | 1,853 |
平成11年 | 1,366 | 321 | 384 | 1,038 | 1,449 | 1,857 | 1,758 |
平成12年 | 1,448 | 364 | 724 | 1,072 | 1,558 | 1,941 | 1,943 |
平成13年 | 1,439 | 278 | 692 | 1,091 | 1,557 | 1,860 | 1,787 |
<共通のポイント>
- まず、年代・家族構成に関わらず、生活予備費を貯めるのが先決。生活費の3~6カ月分程度は、家計の防波堤である「予備費」として貯めること。予備費は安全性と流動性のある商品で運用する(定期預金、定額貯金など)。
- 数年以内に10万円以上の支出があれば拾い出し、「目的別貯蓄」として期間や目的に応じた商品で貯蓄・運用する。結婚資金、マイホーム資金、教育資金、マイカー資金などは必ず押さえる。
- 老後資金も早めに意識する。40代からは
- 5年以内に使う予定がない資金があれば、予備費以外の2~3割程度までをリスク商品で運用することも可。
以下は、共通ポイントに基づくポートフォリオの例です。年代ごとに1つずつ示してあります。
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以上を参考に、ご自身の貯蓄を目的別に振り分け、ぜひ「マイポートフォリオ」を作成してみてください。
参照:家計の金融資産に関する世論調査
http://www.saveinfo.or.jp/kinyu/yoron/2003/03yoron.html
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田真弓