今年の貯蓄額は増えましたか?
1年も終わりが近づきましたが、今年はあなたにとってどんな年でしたか?
家計簿をつけていた人は、お世話になった家計簿も繰越の時期ですね。家計も1年分の数字をまとめて「決算」をする方もいるのではないでしょうか。中には、家計簿はつけないけれど、資産簿(資産管理簿)※だけは毎年更新している、という人もいるようです。
年の終わりに家計の決算をする、あるいは、大まかにでも資産の状況を把握することは、とても大事なことです。「怖くて決算ができない」「資産簿なんか作れない」という人も、勇気を出して真実を把握し、来年の反省材料にしましょう。
家計や資産の状況をチェックすると、「計画通り貯められた」という人がいる一方で、「今年は(も)お金を貯められなかった…」という人もいるのではないでしょうか。不景気で倒産やリストラも他人事ではなく、収入アップも見込めない中、さらに「貯蓄を増やす」というのは大変かもしれません。
でも、家がほしいなら頭金を、子供がいるなら教育資金を貯める必要があります。車の買い替えを考えるならその分も貯めるべきですし、老後資金だって自分で準備する時代です。今年貯められなかった人は、来年こそ貯めるために、お金の上手な貯め方について考えてみましょう。
※資産簿:預貯金・有価証券・保険・実物資産などの資産と借入金を中心とした負債を記録・管理するもの
お金が貯まらない理由は?
今年1年で貯蓄がまったく増えなかった、あるいは逆に貯蓄を減らしたアナタ。なぜお金を貯められなかったのでしょうか?
中には、高校・大学の子供が2人、3人といて教育費がかさんだことで貯蓄を取り崩す世帯や、住宅を購入して頭金を支払ったために貯金を減らした世帯、リストラや倒産でやむなく貯蓄を削った世帯もあるでしょう。定年を迎えた無職世帯も含め、そうした世帯が貯められないのはやむをえません。
問題なのは、貯めなくてはいけないライフイベントがあるのに、上記のような理由もなく、お金を貯めていない世帯です。貯められない理由は、次の3つに集約されると思います。
- あればあるだけ使ってしまうため
- 目標がなく、やりくりの意識が働かないため
- そもそも収入が低いため
貯める必要があるのに「貯められなかった」「貯蓄が十分でなかった」と思う人は、1~3のどれが理由かを明確にしましょう。アナタが貯められない根本的な原因がわかれば、対処法も見えてきます。
タイプ別「こうすれば貯められる!」
前述の3つのタイプ別に、ここでは、貯められるようになる方法をご紹介します。
1.あればあるだけ使ってしまう人の場合 | ||
1.の「あればあるだけ使ってしまう」タイプにオススメなのは、給与天引きや自動積立による貯蓄です。給与天引きといえば財形貯蓄ですが、住宅取得資金なら住宅財形、子供の教育資金なら一般財形、老後資金なら年金財形のほか、一般財形にしておいてまとまったら別の商品に預け換えるのも手でしょう。自動積立も、預貯金のほか、老後資金なら投資信託の積立ても選択肢になります。
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2.目標がなく、やりくりの意識が働かないために貯められない人の場合 |
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続いて2の「目標がなく、やりくりの意識が働かないために貯められない」という人は、目標を明確にして、具体的に貯畜計画をたてることが大事です。たとえば、マイホームがほしいなら、いつまでにいくら貯めるのかを具体化します。子供の教育資金を貯めるなら、「子供が高校入学前に500万円貯める」などと目標額を設定し、毎月どう貯めるかのプランに落とし込みます。
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3.そもそも収入が低いために貯められない人の場合 | ||
3の「そもそも収入が低いため」に貯められない人は、どんなに節約をしても、残念ながら貯められないこともあります。そうした場合は、スキルアップなどをして収入が高くなる仕事に変えていくのも手ですし、結婚していて片働きであるなら、妻の働き方を考えるのも手でしょう。今のように給与が伸びない時代は、よほどの高収入の職業でない限りは、既婚者の共働きはむしろ自然なものとなりつつあります。
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以上、これらを参考に、自分に合った方法で、来年こそはしっかり貯めたいものですね!
ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田真弓