第32回:わが家の家計を総決算


12月は1年の締めくくりの月です。1年間の締めくくりは、大掃除だけではありません。家計もしっかりと年間で決算をして、気持ちよく新年を迎えましょう。

来年は増税なども見込まれる中、今後も順調な家計運営をしていくためには、ますます家計管理が大事になります。今年の家計の「収支」や「資産状況」を正しくつかんで、よかった点や改善すべき点などをチェックし、来年の家計管理に活かしたいものです。

家計の年間収支をつけてみましょう

このコラムの読者で、家計簿をつけている方も多いのではないでしょうか。家計簿はただつけただけでは単なる記録にすぎません。できるだけ有効なデータとして活用するためにも、年間収支をまとめてみましょう。前年の記録などがある人は、それと比較してみるといいでしょう。

細かく記録するのが好きな方は細かくやってもいいですが、そうでない方は、あまり時間がかからない程度に軽くまとめましょう。また、家計簿をつけていない方やあまり細かく整理する時間がない方は、<例2>のようなまとめ方でもいいでしょう。全体像が分かればいいと思います。


< 例1:年間収支-詳細記載 >

費目 2004年 2005年
年間収入(合計) 5,000,000円 5,200,000円
手取り(世帯) 5,000,000円 5,200,000円
年間支出(合計) 4,966,000円 4,720,000円
住居費(貸料) 840,000円 840,000円
駐車場代・車関係費 480,000円 500,000円
食費 470,000円 420,000円
日用雑貨 110,000円 120,000円
水道・光熱費 170,000円 150,000円
電話代 30,000円 24,000円
携帯電話代 130,000円 150,000円
インターネット接続料等その他の通信費 36,000円 36,000円
新聞・図書費 120,000円 90,000円
レジャー費 400,000円 450,000円
冠婚葬祭・交際費 100,000円 100,000円
こづかい(夫) 400,000円 360,000円
こづかい(妻) 120,000円 120,000円
子ども費 200,000円 200,000円
猫2匹のえさ,病院,トイレ等 200,000円 200,000円
生命保険料 360,000円 360,000円
その他 800,000円 600,000円
年間収支(差引) 34,000円 480,000円
貯蓄・投資 34,000円 480,000円




< 例2:年間収支-簡易記載 >

費目 2004年 2005年
年間収入(合計) 5,000,000円 5,200,000円
手取り(世帯) 5,000,000円 5,200,000円
年間支出(合計) 4,966,000円 4,720,000円
住居費(貸料) 840,000円 840,000円
駐車場代・車関係費 480,000円 500,000円
食費 470,000円 420,000円
こづかい(夫) 400,000円 360,000円
こづかい(妻) 120,000円 120,000円
子ども費 200,000円 200,000円
生命保険料 360,000円 360,000円
その他 2,096,000円 1,920,000円
年間収支(差引) 34,000円 480,000円
貯蓄・投資 34,000円 480,000円


まとめた年間収支に、感想や反省なども書き添えておくといいでしょう。上の例なら、たとえば、食費や光熱費などで節約をした様子が伺えます。どんな点をがんばって、来年はどうしたいかなどの反省や抱負なども短く書き添えると、来年のやる気につながるのではないでしょうか?

家計のポートフォリオも整理してみましょう

続いて、現在の金融資産の状況を的確に把握するために、家計のポートフォリオも整理してみましょう。ポートフォリオは、どんな金融資産がいくらあるのかを整理したもので、値動きのあるものは時価評価額で記録しましょう。前年のデータがあれば、それと比較することで、増減や推移なども見ることができます。


< 例3:ポートフォリオ >

現在の金融資産 2004年 2005年
普通預金 500,000円 500,000円
定期預金 250,000円 400,000円
個人向け国債 0円 150,000円
外貨預金(時価換算) 150,000円 180,000円
投資信託(時価換算) 200,000円 250,000円
株式(時価換算) 300,000円 430,000円
資産合計 1,400,000円 1,910,000円


家計のバランスシートも作ってみましょう

現在の金融資産の状況がわかったら、次に家計のバランスシートも作ってみましょう。不動産の欄は今売却したらいくらで売れるかという目安額(市場価格)を入れます。また、金融資産はポートフォリオの合計額を入れ、負債はローンの残高などを入れます。

バランスシートでチェックしたいのは、<資産>-<負債>で計算される<正味財産>です。ここがマイナスになっていると、家計がいわゆる債務超過に陥っている状態です。もしそのような状態が見られたら、住宅ローンの繰上げ返済などでバランスシートを改善していく努力をしましょう。


< 例4:バランスシート(2005年末) >

<資産> <負債>
不動産(売却時) 2,000万円 住宅ローン 1,900万円
金融資産 190万円 <正味財産> +290万円
合計 2,190万円 合計 2,190万円


年間収支、ポートフォリオ、バランスシートの3点を作成すれば、我が家の家計の状況が的確につかめます。年末はぜひ家計の決算をして、気持ちを新たにして新年を迎えたいものですね。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
シニアリスクコンサルタント
豊田 真弓