12月は1年の締めくくりの月です。1年間の締めくくりは、大掃除だけではありません。家計もしっかりと年間で決算をして、気持ちよく新年を迎えましょう。
来年は増税なども見込まれる中、今後も順調な家計運営をしていくためには、ますます家計管理が大事になります。今年の家計の「収支」や「資産状況」を正しくつかんで、よかった点や改善すべき点などをチェックし、来年の家計管理に活かしたいものです。
家計の年間収支をつけてみましょう
このコラムの読者で、家計簿をつけている方も多いのではないでしょうか。家計簿はただつけただけでは単なる記録にすぎません。できるだけ有効なデータとして活用するためにも、年間収支をまとめてみましょう。前年の記録などがある人は、それと比較してみるといいでしょう。
細かく記録するのが好きな方は細かくやってもいいですが、そうでない方は、あまり時間がかからない程度に軽くまとめましょう。また、家計簿をつけていない方やあまり細かく整理する時間がない方は、<例2>のようなまとめ方でもいいでしょう。全体像が分かればいいと思います。
< 例1:年間収支-詳細記載 >
費目 | 2004年 | 2005年 |
---|---|---|
年間収入(合計) | 5,000,000円 | 5,200,000円 |
手取り(世帯) | 5,000,000円 | 5,200,000円 |
年間支出(合計) | 4,966,000円 | 4,720,000円 |
住居費(貸料) | 840,000円 | 840,000円 |
駐車場代・車関係費 | 480,000円 | 500,000円 |
食費 | 470,000円 | 420,000円 |
日用雑貨 | 110,000円 | 120,000円 |
水道・光熱費 | 170,000円 | 150,000円 |
電話代 | 30,000円 | 24,000円 |
携帯電話代 | 130,000円 | 150,000円 |
インターネット接続料等その他の通信費 | 36,000円 | 36,000円 |
新聞・図書費 | 120,000円 | 90,000円 |
レジャー費 | 400,000円 | 450,000円 |
冠婚葬祭・交際費 | 100,000円 | 100,000円 |
こづかい(夫) | 400,000円 | 360,000円 |
こづかい(妻) | 120,000円 | 120,000円 |
子ども費 | 200,000円 | 200,000円 |
猫2匹のえさ,病院,トイレ等 | 200,000円 | 200,000円 |
生命保険料 | 360,000円 | 360,000円 |
その他 | 800,000円 | 600,000円 |
年間収支(差引) | 34,000円 | 480,000円 |
貯蓄・投資 | 34,000円 | 480,000円 |
< 例2:年間収支-簡易記載 >
費目 | 2004年 | 2005年 |
---|---|---|
年間収入(合計) | 5,000,000円 | 5,200,000円 |
手取り(世帯) | 5,000,000円 | 5,200,000円 |
年間支出(合計) | 4,966,000円 | 4,720,000円 |
住居費(貸料) | 840,000円 | 840,000円 |
駐車場代・車関係費 | 480,000円 | 500,000円 |
食費 | 470,000円 | 420,000円 |
こづかい(夫) | 400,000円 | 360,000円 |
こづかい(妻) | 120,000円 | 120,000円 |
子ども費 | 200,000円 | 200,000円 |
生命保険料 | 360,000円 | 360,000円 |
その他 | 2,096,000円 | 1,920,000円 |
年間収支(差引) | 34,000円 | 480,000円 |
貯蓄・投資 | 34,000円 | 480,000円 |
まとめた年間収支に、感想や反省なども書き添えておくといいでしょう。上の例なら、たとえば、食費や光熱費などで節約をした様子が伺えます。どんな点をがんばって、来年はどうしたいかなどの反省や抱負なども短く書き添えると、来年のやる気につながるのではないでしょうか?
家計のポートフォリオも整理してみましょう
続いて、現在の金融資産の状況を的確に把握するために、家計のポートフォリオも整理してみましょう。ポートフォリオは、どんな金融資産がいくらあるのかを整理したもので、値動きのあるものは時価評価額で記録しましょう。前年のデータがあれば、それと比較することで、増減や推移なども見ることができます。
< 例3:ポートフォリオ >
現在の金融資産 | 2004年 | 2005年 |
---|---|---|
普通預金 | 500,000円 | 500,000円 |
定期預金 | 250,000円 | 400,000円 |
個人向け国債 | 0円 | 150,000円 |
外貨預金(時価換算) | 150,000円 | 180,000円 |
投資信託(時価換算) | 200,000円 | 250,000円 |
株式(時価換算) | 300,000円 | 430,000円 |
資産合計 | 1,400,000円 | 1,910,000円 |
家計のバランスシートも作ってみましょう
現在の金融資産の状況がわかったら、次に家計のバランスシートも作ってみましょう。不動産の欄は今売却したらいくらで売れるかという目安額(市場価格)を入れます。また、金融資産はポートフォリオの合計額を入れ、負債はローンの残高などを入れます。
バランスシートでチェックしたいのは、<資産>-<負債>で計算される<正味財産>です。ここがマイナスになっていると、家計がいわゆる債務超過に陥っている状態です。もしそのような状態が見られたら、住宅ローンの繰上げ返済などでバランスシートを改善していく努力をしましょう。
< 例4:バランスシート(2005年末) >
<資産> | <負債> | ||
---|---|---|---|
不動産(売却時) | 2,000万円 | 住宅ローン | 1,900万円 |
金融資産 | 190万円 | <正味財産> | +290万円 |
合計 | 2,190万円 | 合計 | 2,190万円 |
年間収支、ポートフォリオ、バランスシートの3点を作成すれば、我が家の家計の状況が的確につかめます。年末はぜひ家計の決算をして、気持ちを新たにして新年を迎えたいものですね。
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
シニアリスクコンサルタント
豊田 真弓