なにをどうしたいのか、家族でよく話し合う
住まいのリフォームを行うときには、これまでに触れたように各種の調査の上で、複数のリフォーム会社に見積もりを依頼して、そのなかから自分たちに一番合ったプランを出してくれ、また予算的にも妥当な金額を提示してくれたところを選択、正式にリフォーム工事を依頼することになります。
その際忘れてはならないのが、自分たちの希望を明確にしておくという点です。騙されてはいけないと、業者調べはけっこうやっているのに、自分たちの整理ができていないために、その後の流れがギクシャクしたり、あとで後悔することになったりすることが少なくないのです。
住まいを快適なものにしたい、もっと見栄えのいい住まいにしたいといった漠然とした希望だけではなく、家族でよく話し合って、具体的にどこをどうしたいのかをハッキリとさせておく必要があります。その点が明確になっていないと、提案を依頼されたリフォーム会社としても焦点を絞りきれません。複数の会社に依頼しても、まったく異なる提案や見積もりが出てきて、結局比較検討できないことになってしまいます。
もちろん、一戸建てにしろ、マンションにしろ、構造上の制約がありますら、すべて希望通りに実現できるとは限りません。とくに、マンションの場合には管理規約などもあるため、素人ではどこまでなにができるのかの判断を下しにくい部分もありますが(この点に関しては第3回で詳しく触れているのでそちらを参考にしてください)、まずはなにをどうしたいのか、漠然とした夢を具体的な形に落とし込んでいく作業を家族全員で行うわけです。
リフォーム箇所にもよりますが、着工すれば完成するまである程度の日数がかかり、その間生活面で多少の不便も余儀なくされます。大規模なリフォームの場合には仮住まいが必要になるかもしれません。家族全員が納得していないとなにかとうまくいかない面もでてくるので、全員の納得度を高める上でも、十分な話し合いが欠かせません。
リフォーム動機に合わせて絞り込んでいく
では、実際にどうすればいいのでしょうか。参考までに、住宅リフォーム推進協議会がリフォーム希望者を対象に行った調査をもとに、リフォームの動機別に、リフォーム内容をいかに絞り込んでいるのかを紹介しておきましょう。
一戸建て住宅においては、リフォーム動機のトップは「構造・内装・設備の劣化等」で、これに「間取りや水回りの改善」「収納の不足」などが続いています。そのなかから、一番決定的な動機をあげてもらうと、1位、2位は変わりませんが、3位には「高齢者が暮らしやすく」が入ってきます。その上で、どんなリフォームを検討しているかといえば、「水回り中心」ということになります。
一方、マンションのリフォーム動機は「好みの間取りやインテリア」がトップで、以下、「収納の不足」「間取りや水回りの改善」などが続き、決定的な動機では、「好みの間取りやインテリア」「収納の不足」「構造・内装・設備の劣化等」の順で、結果的には「リビング、収納、水回り」のリフォームを検討する人が多いようです。
こうした希望をどのように具体的なプランにしていくのかに当たっては、リフォームを依頼する会社とよく話し合って決めていくことになりますが、その前に自分たち自身でもある程度の情報を集めておきたいところです。たとえば、ひとくちに水回りといっても、システムキッチンからバス、トイレ、洗面所までさまざまですし、システムキッチンにも予算や規模に応じてさまざまなラインアップがあります。手近なチラシや広告などで情報を集めるだけではなく、積極的にインターネットで情報収集する、さらに各種の設備メーカーからカタログを取り寄せたり、ショールームを回ったりする努力も欠かせません。家族全員で役割分担を決めて、楽しみながら効率的に情報収集を行い、夢を現実的な形にしていく作業を楽しみたいものです。
リフォーム動機からリフォーム場所への絞り込み
戸建て住宅 | マンション | |||||||||||||||||||||||||||||
リフォーム動機 |
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決定的な動機 |
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検討中の場所 | 水回り中心 | リビング・収納・水回り |