業者の「提案力」を各段階でチェックする
自分たちの希望が明確になったら、第9回、第10回で紹介したリフォーム会社選びのポイントに合わせて依頼する業者を絞り込んで、具体的な話し合いに入ります。まだ正式な依頼というわけではなく、何度か打ち合わせを繰り返しながら、最終的にどの会社に依頼するのかを決めていくことになります。
その際の判断の目安の一つが、「提案力」ということです。リフォーム会社のなかには、とにかく受注を取りたいということから、こちらの希望を十分に理解しようとせず、遮二無二契約を急かせる業者もいます。そんなところは、いくら安い予算を提示してきたとしても、まずは避けるのが無難。手抜き工事や欠陥などのトラブルのもとです。
大切なことは、その会社が自分たちの希望をよく聞いてくれ、その上で希望に合わせたプランをいかに提示してくれるかということです。なんでもかんでもお客のいい分を聞いてくれるというのではなく、できることできないことを明確にしながら、予算と希望に合わせて具体的な提案をしてくれるところを選びたいものです。お客に迎合するだけではなく、キチンとしたポリシーを持っている会社かどうかも十分にチェックしておきたいところです。
打ち合わせのたびにシートを作成する
何回かの打ち合わせを経て、最終的には具体的なプランと見積もりの提示になりますが、シッカリした業者なら、それぞれの段階で例にあるような打ち合わせシートを作成してくれます。たとえば、台所のリフォームを予定しているのであれば、現状はどうなっていて、それをどんなふうにリフォームするのか、ポイントを整理し、希望の概要を記したシートを作ってくれるわけです。これは、その後の見積もりや実際の工事段階において確認することになるので、大切に保管しておく必要があります。
そうしたプロセスを経て見積もりを依頼することになります。見積書の読み方に関しては次回に詳しく触れますが、その見積書の前提になるのが設計図書です。簡単なリフォームの場合には、設計図を作成しない会社も少なくないようですが、ある程度の規模になれば、設計図書がついてきます。その内容がこれまでの打ち合わせと相違ないものになっているのかどうかをチェックしておきましょう。
具体的には、リフォーム箇所の平面図、面積表、仕上げ表、仕様書などになります。これに基づいてリフォームの工事箇所が打ち合わせ通りになっているか、その工事面積がどれくらいで、その面積に合わせて見積書が作成されているかどうかがなどを確認しておくわけです。
見積書は、あくまでもこの設計図をもとに作成されますから、それ以外の部分に関しては、対象になりません。当たり前のことのように思いますが、実はこの点の食い違いがトラブルになることが少なくありません。設計図、見積書以上のことはやってくれません。あとで「こここをこうしてほしい」などといい出せば、別途料金になります。つまり、追加料金を取られることになり、場合によっては工事日程が延びる可能性もあります。十分に注意しておきたい点です。
工事範囲を明確にしておくと同時に、工事内容の完成時のイメージが希望通りになっているかどうか、内部・外部の仕上げ材や建具の材質・色合いなどは打ち合わせ通りになっているか、水回りの場合には、キッチンやトイレ、浴室などの設備、機材などが打ち合わせ通りかどうか、なども確認しておきます。その上で、見積書のチェックに入りましょう。
住宅リフォーム推進協議会の打ち合わせシート
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