第13回:見積りは複数の会社に依頼して比較する


まずはインターネットを利用する手もある

どこをどうリフォームしたいのか希望条件がほぼ決まり、リフォーム会社をいくつかに絞り込んだら、いよいよ見積りをかけます。

見積りは基本的に無料ですし、見積りを依頼したからといってそこに依頼しなければならないということではありません。強引にセールスされたらなかなか断れないという気の弱い人もいますが、より満足度の高いリフォームを予算内で実現するためには、そうした交渉術を身につけておく必要もありそうです。

とはいえ、一度見積りを依頼してしまったら断りにくいという人は、インターネットを利用するのも一つの方法でしょう。たとえば、財団法人住宅リフォーム・紛争処理センターでは、インターネットで「リフォーム見積ガイダンスシステム」を実施しています。これは、現在の住まいの条件、リフォームの希望条件などを入力すると、概算予算を知ることができるシステムです。あくまでも一つの目安にすぎませんが、これであらかじめ相場をつかんでおけば、実際に見積りを依頼した会社の見積り内容の妥当性などを判断する指標になるはずです。

また、民間のリフォーム会社でも最近はネット上で見積りを依頼できるようになっています。ただ、住宅リフォーム・紛争処理センターのガイダンスも含めて、現地を見ないで見積りを立てるわけですから、実際の見積りとは若干の誤差が生じる可能性が高いことは頭に入れておきましょう。

リフォーム会社によって1.5倍の差がつくことも

リフォームの見積りを依頼するときには、複数のリフォーム会社に依頼して、そのなかから価格や内容などの妥当性のあるところに正式に依頼するようにします。

その際大切なことは、見積りを依頼する内容の統一を図ることです。たとえば、畳の部屋をフローリングにしたい場合、通常は床組を行った上でフローリングを貼ることになります。その方法にも既存の下地板の上に床を組んでかさ上げしてフローリングを貼るのか、既存の床組を撤去して新たに組み直すのかで価格が違ってきます。もちろん、フローリングの材質にはどんなものを利用するのかによっても変わってきます。漠然と、「この部屋をフローリングにしたい」というだけではなく、事前にリフォーム会社や住宅設備機器メーカーなどからカタログを取り寄せたり、ある程度担当者に相談するなどして、見積りを依頼する条件を整理しておく必要があります。業者任せということではなく、自分でそれなりに勉強して、リフォームの知識をつけておくことが、成功への道しるべになるわけです。

リフォームを数多く手がけている建築家によると、それでも3社程度に見積りをかけると、一番安い価格を出してきたところと、高いところの価格を比較すると1.5倍程度の格差がつくことが多いそうです。条件の絞り込みが行えていないと、それ以上の差がつくことも少なくありません。これではボクサーとレスラーのどちらが強いかを比較するようなもの。同じリング、同じルール、同じ道具などの条件を統一しないことには正しい判断は下せません

財団法人住宅リフォーム・紛争処理センター

リフォーム見積ガイダンス http://www.refonet.jp/mitsumori/