見積書表示方法の4つのパターン
前回触れたように、見積もりはかなり条件を絞り込んでも、やはり業者によって価格にはかなりの差が出てくることが避けられません。
そこで重要になってくるのが、見積書の中身のチェックです。最終的な価格だけを見て判断するのは早計。安ければいいというものではないのです。安い価格をつけてきた業者には安いなりの理由があるはずです。見積もりが出てくるまでには、何度か打ち合わせを行っているはずですが、そのときに前々回に紹介したような「打ち合わせシート」を作成して、どのような条件が見積もりの前提になっているのかを明確にしている業者であることが第一ですが、見積書そのものについても十分にチェックしておきましょう。
見積書の形式には、
- 数量と単価
- 部品代と技術料
- 材料費と工賃
- 一式表示
の4つのパターンがあります。
最も多いのは、1. の数量と単価を示す形式です。たとえば外壁塗装であれば、工事箇所の面積は何m2であり、1m2当たりの単価がいくらで、その結果費用はこれだけかかるという形です。2. と3. は材料費とその施工にかかる手間賃を記載する方法になります。4. の一式表示の場合には、別途「仕上げ表」やカタログなどで内容の詳細が示されていることが条件になります。「仕上げ表」に関しては、財団法人住宅リフォーム・紛争処理センターが作成している標準書式を紹介しておきます。
数字に表れないグレードをチェックする
ですから、たとえば見積書の作成方法を、1. の数量と単価で記載するように統一してもらうようにすることが考えられます。これなら、より差が明確になってきます。施工面積は同じはずですから、単価の違いの根拠を確認すればいいわけです。
外壁塗装を例にとると、その差の要因として第一に、塗料の違いが上げられます。しかしこれは、事前にどのような書類のものを使うのか指定することで統一できるのですが、それでも実際にはかなりの差が出てくるのがふつうです。
さらに、同じ塗料を使ったとしても、塗料を塗り付けるローラーの種類によって、壁につく塗料の厚みが違ってくることも上げられます。基本的には外壁塗料の厚みがあるほど雨水の浸入を防げることになります。また、現在の外壁塗料をどこまでとる(除去する)のか、さらに窓枠や地面などが汚れないようにするための養生はどのような方法をとるのかなどによっても違ってきます。いわば、見えない部分の付加価値的な要素であり、また工事内容のグレードということにもなります。
同じ記載方法を指定しても、かなりの差が出てきたときには、そうした点について細かく担当者から聞き取り、十分に納得した上で判断する必要があるわけです。塗料の厚みが薄ければ、また近いうちに工事が必要になるかもしれません。多少予算が高くなっても、長持ちするほうがいいという判断に傾く場合もあるでしょうし、逆にいずれ建て替えする予定だから、さほど厚くなくてもいいという考え方もあるかもしれません。
また、養生などの付加価値的な部分に関しては、その会社がふだんどのような工事の仕方をしているのか、評判を聞いたり、実際の工事現場を見学したりすることが重要になってきます。見積書とその裏付けとなるリフォーム実績を十二分に確認した上で、どの会社に依頼するのかを決めるようにしましょう。
財団法人住宅リフォーム・紛争処理センターの標準書式
- 住宅リフォーム工事御見積書(pdfダウンロード:40kb)
- 住宅リフォーム工事仕上げ表(pdfダウンロード:12kb)