工事を細かくチェックするほど満足度は高まる
工事の進捗具合を細かくチェックすることが、その後の満足度を高めることにもなります。
これは、リフォームではなく、住宅建築の場合の調査ですが、マイホームを建てた人は完成までに工事現場を何度も訪問しています。下のグラフにあるように、平均すると21回も現場に足を運んでいて、その回数が多いほど満足度が高くなるのです。「たいへん満足」とする人の割合は、現場を1~2回しか見ていない人では6.3%にとどまるものの、20回以上見た人だとその割合が13.3%と2倍以上に達します。もちろん、現場に何度も足を運ぶほどですから、自分の住まいに対するこだわりも強く、その分求めるレベルも高くなるはずです。そうした人の満足度が高くなっているのですから、実際には何度も工事の状況をチェックすることの意味合いは、この数字以上に大きいと思います。
工事を進めやすい環境づくりに留意する
といって、現場に足を運んで細かなことにクレームをつけたり、職人さんたちにプレッシャーをかけるだけでは逆効果になりかねません。ことあるごとに注文をつけてばかりいると、反発を受けることになりかねないのです。
工事状況をチェックすることの意味合いを整理しておくと次のようになるでしょう。
- 契約通りに工事が実施されているか自分の目で確かめる
- 建築家に工事監理を依頼している時には、各種のチェックに自分も立ち会う
- 設計図に明示されていない事項についてはそのつど現場で確認する
- 現場で働いている職人さんの労をねぎらい、コミュニケーションにつとめる
この4の点にも十分に留意しておいてください。リフォームの場合には工事期間は1日から数日程度のことが多いでしょうから、工事期間中は休憩時間にお茶やお茶菓子を出したり、その日の工事が終わったときには、「お疲れさまでした」の一声ぐらいはかけるようにしましょう。良好な関係を築くことが、よりよい仕事につながることは間違いありません。
担当者立ち会いのもとで完了時のチェック
すべての工事が終了したときには、工事担当者、営業担当者、依頼主の立ち会いのもとで完成検査を行います。設計図通りに施工されているか、工事担当者の説明を聞きながら、ひとつずつチェックしていきます。仕上がり具合やキズ、汚れがないかなども細かく見ておきます。その場でチェックしておかないとトラブルのもとになります。完了検査時に指摘して直してもらえばタダですみますが、そこで手を抜いてあとで気づいても、「完了検査時にはそんなキズはなかった」と無料での補修を拒否されかねません。ささいなことにまでこだわって、納得できるまで十分にチェックしておきましょう。
たとえば、床をフローリングにしたときには、仕上がりに凹凸がないか、継ぎ目のズレ、はがれ、たわみ、床鳴り、傾斜などがないかを確認します。クロスの張り替えも同様。凹凸、ズレ、はがれなどを入念にチェックしておきます。建具の場合にはそり、ゆがみ、やぶれ、開閉不良などを実際に動かしながら確認しましょう。各種設備機器を新しくしたときには、作動させてみて問題なく動くかどうかもみておきます。
素人の目では不安という場合には、建築家などに仕上がり具合を確認してもらうこともできます。1日の拘束で5~10万円ほどかかりますが、高額なリフォームの場合にはそれぐらいの費用をかけても安心を買うコストとしてはそう高くないかもしれません。
建築家のHPを探せるサイト
建築家.jp http://www.kenchikuka.jp
新築時の工事期間中に現場に通った回数
(資料:住宅金融公庫)
現場に行った回数と仕上がりの満足度との関係
(資料:住宅金融公庫)