在校生500人以上いた田舎の中学校が消えた! ~他人ごととは思えない都会の未来の姿もすぐそこに・・・~
私が中学2年まで通った田舎の中学校(静岡県磐田郡 浦川中学校・現在は浜松市)は昭和21(1946)年4月に誕生。昭和37(1962)年の全校生徒は506人と田舎にしては大きな学校で活気がありました。しかし、少子高齢化の影響は著しく、昭和50(1975)年頃から生徒数は右肩下がりに減少し生徒も50人以下となった平成19(2007)年3月に創設60年の歴史を閉じました(参考・第8回卒業生 中根修巳氏 記 散文詩で綴る浦川中学校の歴史)。
私の連れ合いも同じ中学校の同窓生。夫の実家も空き家となりました。墓参りで里帰りするたびに、昔は夏祭りで賑わった通りが今は誰もいない様子を憂えたものです。私が暮らした実家の跡は田んぼになっていました。夏など大学名が記載された大きなリュックを持った学生さんで賑わった飯田線、浦川駅も「無人駅」になり、当時の面影はありません。
過疎化は田舎(地方)から始まっていますが、都会もジワジワと人口減が始まっています。
東京に住んでいると、街は相変わらず人・人・人。ホテルなどでランチを楽しむ元気な高齢者(特に女性)で溢れています。が、統計から透けてみえる未来の見通しは甘くありません。
気がつけば、周りは中高齢者ばかりが元気な時代になりそうです。そんな今こそ、老いも若きも高齢期の危機感を共有し、支え手として地域で共生する「地域共生社会」に向けた活気ある未来づくりに参加して欲しい、今回はそんな気持ちを込めてお伝えします。
75歳以上の人口が初めて65歳以上人口の半数以上
総務省の統計によれば、日本の総人口(2018年10月1日現在の日本の総人口の推計・在日外国人含)は約26.3万人(0.21%)減少。2005年に戦後初めて前年を下回った後、2008年にピークとなり、2011年以降8年連続して減少しています。65歳未満の人口が減り、65歳以上の高齢者が増え、75歳以上が初めて65歳以上の人口の半数を超えました(50.5%)。
年齢 | 15歳未満 | 15~64歳 | 65歳以上 | 75歳以上 |
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人数 | 1541.5万人 | 7545.1万人 | 3557.8万人 | 1797.5万人 |
前年比の内容 | 前年比17.8万人減 | 前年比51.2万人減 | 42.6万人増 | 65歳以上の50.5% |
総務省人口推計 2018年10月1日時の日本の総人口 (在日外国人含)
総務省人口推計 2018年10月1日時の日本の総人口(在日外国人含)
総務省人口推計 2018年10月1日時
人口が増加したのは7都県(沖縄のみ自然増加と社会増加・他は自然減少)とごく一部。減少した40道府県は全て自然減少。今後人口が多い増加都市での高齢者率は高くなると予想されます。だからこそ、過去の高齢者像は参考にならない時代になりました。そこで前述の「地域共生社会」の認識が必要になってきます。
「地域共生社会」とは?
「地域共生社会」とはなんでしょうか?厚生労働省によると以下のような社会です。
- 個人や世帯が抱える複雑に絡みあう課題を包括的に支援し、総合的サービスの提供が必要な時代になってきたこと。
- 今後、さらに高齢者の割合が増えると予想され、高齢者もサービスの受け手だけではなく支え手になって地域で活躍してもらいたいニュアンスがある。
高齢期等の介護・医療・貧困、または福祉・成年後見制度などのニーズは、見えにくい、もしくは見ようとしなければ見えてきません。裏を返せば、地域に住む皆と協力していかないと未来の高齢期の豊かさは成り立たないという危機のメッセージでしょう。
高齢期の備え、人生の折り返し時点50歳からでも遅くない
高齢期のお金や暮らしを不安に思う人が増えていますが、具体的な対策に取り組んでいる人は多くないのも現実。寿命が伸びた分、高齢期の備えに遅いということはありません。せめて、人生の折り返し時の50歳くらいから時代の流れや国の政策を敏感にキャッチし、複雑な事案に対応できる柔軟な生き方を身につけていくのも大切。1人の視野では限界があるからです。
そのために、若い時からいろんな経験を重ねておくことが大切。私なども仕事や人間関係で面倒なことに接したとき、投げ出したいときもあったけれど我慢して乗り切った後、光に巡りあえたことが何度もありました。何が大切か、どうしたいのかの視点を養うことからスタートです。
長くなる老後はその人次第で楽しめる時間が増えると思えば、何となく楽しくなってくるから不思議ですね。以下は参考までに。
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<イキイキ高齢期にする為のヒント>
- 高齢期を楽しむには、日頃から他人のために時間を割くことができるかも関係する。
- 困ったとき1人で抱えこまず、伝えられるコミュニケーション能力を身につけておく。
- 疑問に思ったら流さず自分で調べてみる、友人たちと話題にしてみるのもいい。
- ちょっとした井戸端会議の話しが、イザというときヒントになり役だつこともある。
- 自分で「壁」をつくらない生き方を身につけておく。
- 生き方・考え方で尊敬する人を見つけ、いいところを真似してみる。