物わかりの良さを捨てて気づいたこと ~高齢期こそ疑問に気づいてアクティブに生きたい!


人からみれば自由奔放に生きているような私ですが、今の仕事を始める前は周りの評価が気になり言いたいことの半分も言わない(言えない)人生を過ごしていました。

しかし、今の私の仕事は依頼者の困りごとを解決し、未来への道筋をつけることです。
役所の窓口職員の型どおりの説明や高齢者施設見学時の担当職員の案内・説明、障害年金の手続き等での医師や、年金の窓口・障害者施設の職員等の説明に疑問も持たず「分かりました」と言ってしまう、相手からみて「物わかりのいい人」で終わっては解決しないこともあると気づきました。
高齢者支援でも同じです。依頼者のために何ができるかを考え、ときに各種窓口で粘り「面倒くさい人になって」必要書類を貰い、次にすべきことを調べる行動が欠かせないと知りました。

仕事を通して得た一番の収穫は、惜しみなく行動する習慣が結果的に収入増と人の役に立っているという満足感に繋がり、残り少ない?夫婦2人期間のイベント企画にも有用なものとなっています。
今回は、高齢期こそ前向きにアクティブに暮らし、老後のイメージを変えてみませんかという思いを込めてお話します。

【事例】高齢者施設見学

7月に①ケア付き高齢者住宅 介護付有料老人ホーム(入居時自立・利用権)、②シニア向け 分譲マンション(所有権)を再見学してきました。いずれもフロント職員が若く、超豪華かつ高額施設
我が家も決断の時期が近づいている今、数ある候補から絞るための再見学です。

①ケア付き高齢者住宅

一般居室(37.22㎡~57.24㎡)での生活が困難な状態のときは、様子見の中間施設(ケアセンター)で暮らすことができ安心。状態により介護棟介護居室(20.48㎡)に住み替え可能。
最寄り駅も活況かつ土地勘もあり、医療体制も整備され、敷地・土地共事業主所有(抵当権なし)、介護職員体制2:1と申し分ないが、募集中の低額物件(先述の37.22㎡の一般居室)でも我が家の金銭事情から諦めた

ちなみに、入居時費用は居室タイプ・方角・入居時年齢区分で前払い家賃等は異なる。
月額費用は、以下の「管理費と食費」にプラス「入居者の自己負担」(水道光熱費・通信費・テレビ利用料・日常の生活費等)と「介護・医療が必要になったときの負担」とかなり高額。

1人入居(37.22㎡ 10F)の費用(終身一括プラン)
入居時年齢 前払い家賃+(前払い特別介護費)
75~79歳 3,662万+(740.3万)=4,402.3万
80歳以上 3,403万+(710.6万)=4,113.6万
月額費用 2022.7見学時の金額
管理費 83,600円
食事代※1 70,260円
153,860円
  • ※1 1日3食、30日喫食した場合の料金 朝/594円・昼/648円・夜/1,100円(税込)

②シニア 分譲マンション(所有権)

3回目の見学でやっと(案内所からタクシーで10分以上かけ、担当者同行にて)現地を見学することができ、施設周辺確認のため電車で帰宅。最寄り駅から2分が売りの施設だが、最寄り駅周辺に店は少なくショッピング・ランチの楽しみも期待できず、案内所のある駅までの路線が単線で本数が少ない。分譲マンションでリバースモーゲージ※2利用でき、相続※2可能が売りと説明者。要介護度が重くなったとき自室に住み、1Fのデイサービスを利用。入居者で埋まっている割に、食堂や娯楽室の利用者が少なく、快適な自宅からの転居の意味を見つけられずしばらく様子見とした。

※2 リバースモーゲージとは、自宅(事例では②の施設)を担保にお金を借りて、元本は担保の②の施設を売却し返済するしくみ。借入期間中に返済または亡くなった後に相続人が一括返済可。契約者が死亡しても、相続人は②の施設の売却額を超えてローンの残債の返却義務なし(ノンリコース)で子どもに迷惑がかからない。

分譲マンションは固定資産税も必要、リバースモーゲージ利用なら借入金の利息(変動金利)発生、かつ借入金で老後生活が豊かになるメリットがあるが、生活費が膨らみがち・長寿化によるリスク(医療・介護コスト)・介護と医療等の改正で支出増も視野に入れた家計管理が欠かせない。
売却可能だが将来の価格が保障された訳ではないことも知っておきたい。

  • (注)①②の内容は筆者の経験に基づくもので、施設により条件・プラン・サービス・費用等は異なります。

最近、コロナ禍もあり見学は1組(1人又は夫婦等)指定が多く、担当者の一方的な説明になり勝ちで、他の人の素朴な疑問を聞けず、担当者の説明に頷きがちになるのが怖かったです。
年金もあまり増えそうでない状況の中、高額な月支出が不安。人生100年を想定したシビアな収支表の作成は必須でしょう。

【事例】窓口の対応

最近は、各種窓口の対応が以前と比べとても親切ですが、ときに手際が良すぎて相手ペースで話が進み、疑問を持つ間もなく終わりがちなことが気になります。

先日、市役所の固定資産税課に生産緑地の解除後、増加する固定資産税の額について相談。職員は「今までかなり安い金額だったのが高額に、かつ、毎年20%ずつ上昇する」とサラッと話して終わりたい様子。高額になることは事前に知っていましたがイメージできません。そこで、かなり粘って概算額がわかるものを依頼し、届いた税額を見てびっくり。
今後、土地を維持又は売却するにしても関係者が納得できる方法はないかと相談した他の窓口で次のようなアドバイスをいただきました。いろんなケースに対する私の疑問に対し、「制度上は解決できないが法律上解決できる可能性も!」これを基に法律相談を受けて視界が明るくなり解決に向けて今行動中です。
ちょっとした気づきを持つこと、惜しみなく動く大切さを学びました。

【事例】障害年金

年金窓口の職員Aと担当医師Bのトラブルから、子どもの障害年金の手続きが遅れている案件を高齢の母から依頼されました。障害年金は複雑でAとB両方の立場と心情も理解できました。

但し、子の障害の状態はかなりひどく母親の心情を考えれば、一刻の猶予も無い状況です。
Aとやり取りを重ね、病院に何度も伺いケースワーカーにBとの仲介に入っていただき、最終的に診断書を受け取り、障害年金を受給できました。
物わかりの良さを捨て、お願いすべきところ、主張すべきところは粘った結果です。母親からの感謝の礼状は心に沁みました。

まとめ

「物わかりが良い」は、一般的に以下の様に良いイメージです。

意義素 主な、類語・言い換え・同義語
人などがこちらの意向を汲んでくれるさま 融通がきく・話が分かる・聞き分けのよい
教えられたことをすぐに把握して自分のものにするさま 飲み込みがよい・物覚えがいい・物分かりがよい
物事の道理をよく理解しているさま 分別がある・賢い・物分かりが良い

参考(2022年9月5日時点):weblio類語辞典

高齢期は誰にも理解を示して穏やかに過ごせたらそれが一番幸せですが、複雑な現代事情の人生100年時代は高齢者をターゲットにしたトラブルも増えています。友人曰く、相手の言っている意味が理解できず(または聞こえず)曖昧に笑ってごまかしたこともあると・・・。
しかし、本当に知りたいことがあるときには、おかしい?と気づき行動して納得する対応ができればベスト。最期まで生き生き暮らせるのも日ごろの対応力の積み重ねがあってこそ。長寿化を楽しむ人生創りを始めてみませんか!